早実センバツ大前進 清宮、コールド決勝進出呼び込ん打!
「秋季高校野球東京大会・準決勝、早実9-0国士舘」(30日、神宮第2球場)
早実が七回コールド勝ちで決勝に進出し、3季ぶりの甲子園となる来春センバツ出場に大きく前進した。怪物スラッガー・清宮幸太郎内野手(2年)は3打数1安打。三回先頭で右前打を放ち、一挙5得点のビッグイニングを演出した。11月3日の決勝では、11年ぶりの優勝をかけて日大三と対戦する。
大きな1勝に、清宮はグッと拳を握って雄たけびをあげた。4年ぶりの決勝切符。「公式戦を経験していく中で、勝ち方や声の出し方もわかってきた」。チームの成長に手応えをにじませた。
厳しさを増す内角攻めに第1、第3打席は中飛と右飛。快音連発とはいかない。だが、三回無死の第2打席では外角直球を逃さず、一、二塁間を鋭く破る右前打。打者10人の猛攻の口火を切った。
試合後のかすれ声が、すっかりトレードマークになった。主将として体を張り、喉をからして、公式戦経験の少ない仲間を引っ張ってきた。強敵・関東第一を破った前日は、試合後のロッカールームですぐ「次に勝たないと意味がない」と、引き締めた。「安心するのが怖かった。優勝することが目標」と、スキは感じられない。
自ら考えたスローガン「GO!GO!GO!」。当初、ベンチで連呼するのは清宮だけだった。今は皆が声を張りあげる。四回にソロ本塁打を放った1年生4番・野村大樹内野手は「雰囲気がさらに明るくなった」と、旧チームとの違いを証言した。
「みんながついてきてくれるのが、すごくうれしくて」と、主将のやりがいを口にした清宮。斎藤佑樹(日本ハム)を擁した05年以来となる優勝と、春の聖地を確実にするにはあと1勝。「優勝して甲子園を決めたい」と、力強く誓った。