大谷あるぞ!侍「3番・DH」 シート打撃で豪快三塁打も「状態は普通」
「侍ジャパン強化合宿」(8日、QVCマリンフィールド)
野球日本代表「侍ジャパン」が8日、QVCマリンフィールドで10日からの強化試合へ向けた事前合宿最終日を迎え、シート打撃では大谷翔平投手(22)=日本ハム=が右中間を破る三塁打を放った。小久保裕紀監督(45)も驚がくの一打で、強化試合では「3番・DH」で中軸を任される可能性も出てきた。
乾いた音を響かせた打球が、瞬く間に右中間を突破する。ワンバウンドでフェンスに到達すると、大谷は大きなストライドで三塁へ。スタンディングでの三塁打に、周囲から感嘆の声が上がった。
合宿最終日でのシート打撃。「打者・大谷」が、その能力の高さを見せつける。左腕・石田を相手に、直前には内角へ抜けてきた球に体を翻してよける一幕もありながら、次の外角寄りに甘く入った直球を完璧に捉えた。
大谷本人は「(フルカウントで)直球しか来ないのでバッター有利に感じた。状態は普通です。すごくいいわけでもない。(WBC公式球の違いを実感することは)特にはないです」と淡々と振り返る程度の打席。それでも、首脳陣の度肝を抜くには十分な一撃だ。
小久保監督も「インコースに抜け気味のボールが来た後に、しっかりと踏み込めていた。スイングスピードは日本でもトップクラス」と称賛を惜しまず。そして「大谷の状態もいいんでスタメンをどうしようかなと悩んでいる。どういうふうに使おうかと」とうれしい悲鳴を上げた。
大谷は強化試合では野手のみの起用となる。さらに投手起用をメインとするWBC本戦をにらみ、指揮官は当初、「彼をスターティングラインアップに固定するメンバーで考えると、来年(WBC)にはつながらない」と話すなど、大谷を中心に置かない打線を構築していく考えを示していた。
そのため、強化試合でもDHは内川らと併用し、大谷はスタメン時でも中軸以降の打順、または代打起用となることも予想されていた。しかし「打撃でもクリーンアップ候補」と指揮官が称する打撃力は、その頭を悩ませるほどに強烈だ。
中軸を打つとなれば、日本ハムでも主に務めていた3番を任せられる可能性もある。大谷、中田、筒香が並ぶ打線は相手にとって脅威だ。「あと2日、考えます」と小久保監督。規格外の“二刀流”が、どういった形で侍の野手デビューを飾るのか。注目度は日増しに高まる。