安田 清宮弾に燃えた!勝ち越し3ラン&決勝犠飛 履正社に初Vもらたす

 「明治神宮野球大会高校の部・決勝、履正社11-6早実」(15日、神宮球場)

 履正社(近畿)が来年のドラフト1位候補・安田尚憲内野手(2年)の一発を含む2安打4打点の活躍で初優勝を飾った。

 清宮に負けたくなかった。豪快な一発を目の前で見せつけられ、安田の闘争心に火がついた。「意識しないようにしてたけど、燃えるものがあった」。高めの直球をフルスイングすると、打球は清宮が放った軌跡をなぞるように右翼席へ飛び込んだ。

 勝ち越しの3ラン。来秋ドラ1候補の一発競演に神宮のスタンドは総立ち。興奮のるつぼと化した。同点の三回1死一、三塁から「前の打席は差し込まれて守りに入っていた。自分から攻めていこう」と高めのゾーンに張って、初球を振り抜いた。

 完璧に捉えた勝ち越し弾。続く四回には決勝点となる犠飛を放つなど、2安打4打点の活躍に「今までチームに迷惑をかけてきた。それを決勝の舞台で返すことができてよかった」と納得の表情を浮かべる。

 実際にグラウンドで清宮と相まみえたことで「まだまだ自分の方がレベルは下」と安田は言う。常に謙虚に-。それは高校女子駅伝の名門・大阪薫英女学院で監督を務める父・功さんの教えにある。

 「全国に出ても褒めてもらえない。それが当たり前の環境で育ってきたので」。父からは準備と私生活の大切さを教えられた。清宮と同じく、最も身近な勝負師から伝授された成長の秘けつ。「来年の春はもっと成長して」。西の怪物が聖地に帰ってくる。

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