楽天・星野副会長「セの野球貫け」 交流戦12年で勝ち越し1度のセを分析

 交流戦開幕へ向け、楽天の星野仙一球団副会長(70)がデイリースポーツの取材に応じ、両リーグ監督経験者ならではの視点からセ・リーグの戦い方を分析。過去12年の交流戦で1度しか勝ち越していないセが、パと互角に戦うためのカギとして「自分たちの野球を貫くこと」と指摘した。

 ◇  ◇

 -交流戦では毎年のようにセ・リーグの苦戦が続いている。

 「楽天の監督になって初めてパ・リーグ5球団を敵に回して(リーグ戦を)戦ったわけでしょ。そのときに驚いた。俺が顔も名前もよく知らないような投手が150何キロを投げたりしていたからね。“この選手は何年目や?”とか“どこから来たんや?”とか、1年目はものすごく(スタッフらに)聞いたよ」

 -打者についてもレベルが高い。

 「(西武の)中村や浅村とかはブンブン振るわけよ。当てにこない。ホームランを期待されている選手はブンブン振る。それも、ものすごくええスイングをするわけよ。それでびっくりした。パ・リーグにはすごいヤツらがいるなあと。これはセ・リーグが勝てるわけがないなと思ったよ」

 -パ・リーグは力のある選手が多いという印象がある。

 「確かに個々のモノが違う。投げる方も打つ方も、走る方も。野球の質が違う」

 -たまたまいい選手がパ・リーグに集まった?

 「ドラフトもあるだろうね。いい選手がみんな(くじ引きで)パに当たっちゃう。阪神も最近は当たってるけどね。ドラフトで失敗したら、取り戻すのに3年かかる」

 -これまでの交流戦でのセ・リーグの戦い方を見てきて。

 「交流戦になるとセ・リーグが“パ・リーグの野球”をしようとしとるなあ」

 -というと。

 「いつも通りバントで送ったりとかエンドランをしたりとか、セ・リーグなりの、各チームなりのプレーをすればいいのに、どこか相手のパ・リーグに合わせたようなプレーになっている。(打者は)大振りするような場面じゃないところで大振りしたり。右に打てばいいのに、センター返しすればいいのにという場面で、パ・リーグにつられるように大振りしてしまっているような感じは受けたね」

 -セ・リーグが交流戦で勝つには。

 「相手に合わせたような野球をやっていたらダメ。自分のところがキャンプ、オープン戦、ペナントレースで積み上げてきた野球をやれば、そこそこ互角に戦えるんじゃないかなと思う」

 -日本シリーズでは互角の戦いとなることが多いが、それはセ・リーグが自分たちの野球をできているということ?

 「そうだろうね。日本シリーズまで来たら、リーグ優勝したというある意味、安堵(あんど)感というかリラックスした状態。成し遂げたという自負とセの代表だというプライドもあるしね」

 -交流戦がペナントレースの行方のカギを握る。

 「(両リーグとも)お互いのチームが交流戦できっかけをつかむ。いい意味のきっかけも、悪い意味のきっかけもつかむ。(リーグ優勝の)カギを握るね。だからセ・リーグが交流戦を3連戦にしたんだよ。2連戦だと連敗があるでしょ。連勝もあるけど。それぐらいセ・リーグが交流戦というものを意識しているということ」

 -それが勝敗結果にも表れていると。

 「それだけ(勝敗の)差がつくのは、セ・リーグそのものがパ・リーグを意識し過ぎているからだよ。自分たちの野球というか、考え方を貫いていない。それは選手たちにも伝わる。“今年はパ・リーグをやっつけようぜ!”とか、そうやって言うのはいいことだけど、そんな弱気でどないすんねん。逆に弱気に聞こえる。俺はセ・リーグ育ちだから、余計にそう思うね」

 -阪神は2位、楽天は首位で交流戦に突入する。

 「交流戦が終わった時点でのチーム状況で、その後の道筋がビシッと見えてくる。交流戦でグーンといくかどうかやね」

 (続けて)

 「2年前のDeNAが交流戦前に(貯金10で)首位やったけど、交流戦が終わったら(借金1となり)その貯金を全部はき出したでしょ。去年の広島は(貯金6から11に増やし)うまく乗り切った。それぐらい交流戦がカギを握っている」

 -今年の阪神、楽天の戦いを見て。

 「阪神のことはそんなに見てないけども、9点差を逆転勝ちしたでしょ。優勝するチームは必ず不思議な勝ちが多い。今年の楽天もそうだし、(日本一になった)2013年の楽天もそうだった。ミスが出て負けると思った試合を拾っていく。逆転勝ちも多い。たとえ監督が采配ミスをしても選手がカバーしてくれる。監督の采配が全部はまれば全部勝てるけど、そんなことはないからね。優勝するときは、そんな不思議な勝ちが積み重なっていくもの」

 -阪神と楽天の日本シリーズになるかも。

 「そうなったら日本シリーズだけ監督やらせてくれないかな(笑)」

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