日本球界最後の300勝投手・鈴木啓示さん 現役時代は「不安との戦い」王さんも

 「草魂カップ」開幕戦で始球式を務めた鈴木啓示さん
 「草魂カップ」開会式の優勝旗返還で前年覇者・西脇スポーツ少年団から優勝旗を受け取る鈴木啓示さん
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 日本球界最後の300勝投手といわれる元近鉄・鈴木啓示さん(74)=野球評論家=の功績をたたえて創設された「第9回『草魂カップ』少年軟式野球大会」が27日、鈴木さんの出身地である兵庫県西脇市の西脇公園野球場で32チームが参加して開幕した。

 故郷での少年野球大会にかけつけた鈴木さんは、選手が入場行進する際にはホームベース付近で拍手を送って出迎えた。

 開会式のあいさつでは、引退後に世界記録の868本塁打を放った「世界の王」ことソフトバンク・王貞治球団会長と会話した内容を披露した。「王さんに現役時代を一言でいうとどうだったと聞かれ『不安との戦いでした』と言うと『オレも一緒だ』と言われました。練習していたときが一番気持ちが安らいだ。王さんも同じことを言うんです」と話した。

 続けて「不安を払しょくするために練習しかない。よく言われるけど、練習は不可能を可能にする。練習することによってできなかったことができるようになる。はじめからできる選手は我々のときからいないと思うんです。今後の野球生活において、練習することによってできなかったことが練習することによってできるようになるということをつかんでいただけたら」と少年少女に語りかけた。

 開幕戦では始球式も務め往年のフォームを披露。スタンドから大きな拍手を浴びた。試合が始まると開催4球場に足を運び選手や保護者らに激励の言葉をかけた。試合はこの日を含め3日行われる。鈴木さんは開催日には全て故郷・西脇に戻るという。

 鈴木さんは育英高から1965年度ドラフトで近鉄から2位指名を受け入団。近鉄一筋20年、「草魂」を座右の銘とし、歴代4位の317勝を挙げた。数々のタイトルを獲得し名球会、野球殿堂入り。1993年から3年、近鉄の監督も務めた。

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