鯉守護神「ミコより今村」野村監督構想
広島の野村謙二郎監督(46)が21日、広島県廿日市市内で取材に応じ、今村猛投手(21)を新ストッパーに起用するプランを明かした。昨季はセットアッパーとして69試合に登板し、防御率1・89と抜群の安定感を発揮。春季キャンプでキャム・ミコライオ投手(28)らと競わせる方針だが、急成長中の若き右腕への信頼は厚く、新守護神誕生の可能性は高い。
若武者への期待の表れだった。「猛(たける)の抑えを考えている」。野村監督が22年ぶりの優勝へ向けて掲げた新構想は、今村の新守護神プランだった。
今年4年目を迎える今村への信頼感は、年を追うごとに大きくなっている。高卒1年目の10年は2試合の登板に終わったが、2年目は開幕メンバーに入り、先発、中継ぎなどを経験。そして昨季は絶対的セットアッパーとしてチーム最多の69試合に投げ、ミコライオの体調不調時には急きょストッパーも任された。
終わってみれば2勝2敗4セーブ、防御率1・89。巨人・山口、中日・田島に次ぐ28ホールドポイントを記録した。
先発陣は盤石を誇る投手陣だが、リリーフ陣も鉄壁にしたい。その思いを実現するために指揮官が新守護神として白羽の矢を立てたのが、名実共に野村鯉のNo.1リリーフに成長した今村だ。
「猛にはもともと先発をさせたいという気持ちがあるのだが、抑えも(チームにとって)大事なポジションだから」。勝敗を左右する役割を担うストッパー。21歳の若武者ならば役割を果たしてくれると信じている。
昨年の守護神ミコライオは21セーブを挙げたが、不安要素が多かった。試合前の練習中に体調を崩し、急きょ登板を回避することが何度もあった。抑え不在はチームに動揺を与えるだけに、あってはならないこと。ミコライオの力は認めつつも、簡単に抑えを任すほど信頼はないはずだ。
また今年は3時間半ルールが撤廃される可能性もあるだけに、抑えが2イニング投げる場面も出てくる。「ミコライオが2イニング行けるかと言えばクエスチョン。今村ならば2イニング行けと言えば行ける」と野村監督。ルール変更に対応するには、今村が抑えを務めるのがベストだと考えるのは当然のことかもしれない。
早ければ春季キャンプ中盤にも抑えを決定したい意向の野村監督。今村がWBC日本代表とともに、新守護神の座を射止めることができるか注目だ。