「広島春季キャンプ」（４日、日南）

　広島の鈴木将光外野手（２５）が４日、フリー打撃で快音を連発し、開幕１軍をアピールした。左腕の戸田から３本の柵越えを放ち、野村謙二郎監督（４６）も絶賛。昨年プロ７年目で初の１軍出場を果たした大器が、遅咲きながら花を咲かせようとしている。

　フリー打撃で戸田に対し、ラストの１球。鈴木将がフルスイングした打球は、左翼の観客席を越えていった。野村監督も「おおっ」と叫ぶほど、インパクトのある打撃。この１本を含む３本の柵越えを放ったが、この日フリー打撃を行った８選手の中で柵越えをしたのは鈴木将だけだった。

　昨年９月１３日の巨人戦（東京ドーム）で１軍初出場を果たし、内海から初打席初安打をマークした。「あれは自信になったというか、逆に今年が本当に勝負のシーズンになる。覚悟して今回のキャンプに臨んでいる」と力強く言い切った。

　１月には前広島の西武・嶋と石垣島で２週間の自主トレを行った。午前中は筋力トレーニング、午後は打撃練習の日々。「バットは相当振った。力を抜いた状態から、インパクトでいかに強くたたけるかを心掛けた。今日のフリーではうまく力を伝えることができた」と頬を緩めた。

　首脳陣もそのパワーを目に焼き付けた。「いいものは評価していきたい」と野村監督。今年８年目の苦労人が外野のレギュラー争いに殴り込みをかける。