ドラ4下水流3安打!開幕スタメン浮上
「広島紅白戦、紅組3‐1白組」(14日、日南)
ドラフト4位・下水流昂外野手(24)=ホンダ=が、紅白戦で3打数3安打2盗塁を記録し、存在感を示した。確実性と力強さを併せ持つ打撃を、野村謙二郎監督(46)ら首脳陣も大絶賛した。キャンプは2軍でスタートした新人がアピールの連続で一躍、外野の開幕レギュラー候補に躍り出てきた。
開幕1軍どころか、一気に開幕スタメン候補に浮上してきた。ルーキー下水流が2度目の紅白戦に「8番・右翼」で出場し3打数3安打。2盗塁も決めた。「結果が出て良かった。1回、1回が勝負なので必死にやってるだけ」。躍動感あふれる動きで、首脳陣の目をくぎ付けにした。
まずは三回の第1打席だ。侍戦士・今村を仕留めた。「直球しか投げてこない」と狙い球を絞ると、鮮やかに中前へはじき返した。その後、無死一、二塁では、二走で捕手のけん制に飛び出したが、迷うことなく三塁を陥れ、盗塁を記録。思い切りの良さと快足をアピールした。
第2打席は永川勝から会心の左前打を放つと、すかさず二盗を決めた。さらに七回の最終打席は圧巻だった。追い込まれてからバットを短く握り、「変化球に張って直球ならカットしよう」と、大島の変化球を狙い撃ち。強振した打球はセンターへグングンと伸びて、赤松の頭上を越える二塁打となった。
確実性にパワーを兼ね備えた打撃、自慢の足と、長所を見せまくった下水流ショー。「外野なので打たないと使ってもらえない。(3安打は)出来過ぎだけど継続していきたい。走塁とかミスもあった。反省してしっかりやっていきたい」。背番号35は充実感を漂わせながらも、謙虚に振り返った。
キャンプは2軍スタートも、チャンスを逃さずつかんだ。5日の1軍練習に“体験入学”し、フリー打撃で快音を連発。7日にも1軍参加するとシート打撃で1安打と好守を披露。8日のシート打撃でも安打を放ち、1軍昇格を果たした。
野村監督は「キャンプの中で伸びている。打球も素晴らしい」と絶賛し、新井打撃コーチも「他の人に勝つためのものを見せてくれている」と高評価した。広瀬が背部の張りで1軍を離脱した中、緒方打撃コーチは「十分、外野の一角に入ってくる」と能力を認めた。
激戦の外野定位置争いで今や勢いは一番。「やることをやってアピールするだけ。当落線上なので結果を残す」。下水流はそう言って、表情を引き締めた。この歩みを止めるつもりはない。