前田智、死球に激怒!骨折で長期離脱へ
「ヤクルト3‐1広島」(23日、神宮)
切り札登場で、真っ赤に染まった左翼席のボルテージが最高潮に達した。1点を追う八回、栗原の適時二塁打で同点に追いつき、なお2死一、二塁。一気に逆転を狙う場面で、代打の広島の前田智徳外野手(41)が打席に立った。
ヤクルトは古野から左腕の江村にスイッチ。だが、この対決が誰も予期せぬ展開への始まりだった。まず2球目のシュートが抜け、前田智の胸元を襲った。辛うじてバットに当てたが、怒りに満ちた表情で江村をにらみつけた。
その後、ファウルで粘り、6球目。軌道から外れた直球が、またもや胸元へ。今度は左手首付近に当たった。その瞬間、苦痛に顔をゆがめたが、またも鬼の形相に変わり、何かを叫びながらマウンドへ歩を進めた。
すると両軍の選手、コーチ陣がベンチを飛び出し、にらみ合いになった。その中で、古沢投手コーチはヤクルトの荒木投手コーチの胸ぐらをつかみ、一気にヒートアップ。何とか収まったが、古沢投手コーチは退場処分を受けた。
この大荒れの展開で、結果は最悪だった。2死満塁で打席に立ったルイスは空振り三振で、同点止まり。その裏に今村が勝ち越され、敗れた。
途中交代した前田智は都内の病院で検査を受け、「左尺骨骨折」と診断された。長期離脱の可能性が高い。野村鯉はエース・前田健、4番・エルドレッドに加え、代打の切り札も失った。