野村祐プロ初完投星!4連勝で3位浮上
「交流戦、広島12‐1オリックス」(17日、呉)
昨季新人王を獲得した広島・野村祐輔投手(23)が、オリックス打線を相手に9回6安打1失点の好投。昨年8月22日のDeNA戦(マツダ)以来、11試合、268日ぶりの勝利をプロ初の完投で飾った。チームの連勝は今季最多の4に伸び、3位浮上。初の交流戦開幕3連勝もマークした。野村鯉はこのまま上昇気流に乗り突き進む。
力強くこぶしを握った。九回2死、ロッティーノを129キロのチェンジアップで空振り三振に打ち取ると、野村は会心のガッツポーズを見せた。6安打1失点でたぐり寄せた、今季初勝利とプロ初の完投勝利。呉の鯉党の前で、復活ののろしを上げた。
三者凡退は五回と九回だけ。走者を背負ってからが野村の真骨頂だ。丁寧に低めにボールを集め、この試合まで6連勝中と好調のオリックス打線に1点しか許さなかった。
二回に味方打線が大爆発。大量6得点で右腕を援護した。自らも三回、左翼線に2点二塁打を放った。「たくさん点を取ってくれて、リズムよく投げられた。9回は長かった。初完投はうれしいです」。108球の熱投で、昨年8月22日のDeNA戦(マツダ)以来、11試合、268日ぶりとなる白星。思わず笑みがこぼれた。攻守に存在感を見せた右腕に、野村監督は「すばらしかった。投球では安打されても連打がなかった」と賛辞を贈った。
長いトンネルを脱した。昨年は7戦勝ちなしでシーズンを終え、今季は開幕から連敗。焦りからか投球フォームを崩したまま投げ、4月17日には右肩関節唇損傷で出場選手登録を抹消された。 2軍落ちは初めてのことだったが「たくさんの人に支えてもらった」。3軍では傷を癒やしながら、チームスタッフとフォームの修正を行った。
12日は母の日で、13日は母・真由美さんの50回目の誕生日。お祝いの電話をかけ、旅行券をプレゼントした。広陵・中井監督の教えを守り、大学時代から両親の記念日にお祝いの電話を欠かしたことはない。「白星を早く贈りたい」。その思いがようやくかなった。
「これまで足を引っ張ってきた。これから勝ちに貢献したい」。チームは今季初の4連勝で、3位に浮上した。交流戦でも初の開幕3連勝と、最高のスタートを切った。何より野村の復活が、チームにとって心強い。