広島は１１日、新外国人選手としてキラ・カアイフエ内野手（２９）＝ダイヤモンドバックス傘下３Ａリノ＝と契約が合意したことを発表した。１年契約で年棒３５００万円プラス出来高払い。背番号は「１３」に決まった。１９３センチ、１０６キロのカアイフエは力強いスイングが魅力の長距離砲。得点力不足解消へ、異例ともいえる７人目の外国人選手獲得となった。救世主の期待がかかる新助っ人は、１７日に来日する予定だ。

　野村カープが悲願のＡクラス入りへ向けて、異例の外国人７人体制を敷く。得点力不足の解消へ、大砲の獲得に乗り出していた球団は、ハワイ出身の２９歳、カアイフエに白羽の矢を立てた。１９３センチ、１０６キロ。巨体から繰り出す、力強いスイングが魅力の左打者だ。

　メジャーではロイヤルズ、アスレチックスで通算１２６試合に出場し、打率・２２１、１５本塁打、４６打点。今季はメジャー出場はないが、ダイヤモンドバックス３Ａで５３試合に出場し、打率・３１３、１６本塁打、５０打点の好成績を残している。

　右方向へ引っ張る打撃が持ち味で、対戦球団はカアイフエを打席に迎えると、三塁手が三遊間、遊撃手が二塁ベース後方に、守備位置を変えていたという。球団首脳は「思い切り振れるタイプ。エルドレッドよりパワーがあるんじゃないか。長打力はあるし、打点を挙げてくれればいい。エルドレッドと２人で軸になってくれれば」と期待を寄せた。

　フルスイングが特徴の強打者タイプでありながら、今季は３８四球を選んでおり「（打席で）間があり、（ボール球にも）意外とグッと踏みとどまる」と同首脳。確実性も十分に併せ持つという評価だ。

確実性も兼備　守備位置は一塁のみで、現在２軍で再調整中の栗原とポジションがかぶる。ただチームは両リーグ最少の１９１得点、２９本塁打と得点力不足が深刻で、打線のテコ入れが不可欠な状態にある。期待されたルイスが開幕から不振で２軍落ち。エルドレッドも右手骨折で１カ月以上も長期離脱し、先日復帰したばかり。ニックも手術した左膝の影響か、昨季のような爆発力は影を潜めている。

　野村監督も「はまってくれれば、と思う」と打線の起爆剤に期待する。一方で「これだけ（外国人選手を）獲ってくれて、成績を残さないと、とプレッシャーを感じる。球団には感謝している。上位に行くために『頑張れ』というメッセージだと思う」と表情を引き締めた。

　カアイフエは１７日に来日する予定。２軍戦に出場後、早ければリーグ戦再開後の６月下旬の１軍合流が見込まれる。パワフルな長距離砲が、鯉の「救世主」となる。