エルド連発!初のCSへGOGO砲
「DeNA1-5広島」(7日、横浜)
広島のブラッド・エルドレッド内野手(34)が、2打席連続本塁打を放つなど3安打3打点と爆発した。キラ・カアイフエ内野手(29)に代わり、4番・一塁でスタメン出場し、連敗ストップに貢献した。4位・中日が勝利したためゲーム差は2のまま。DeNAと今季最終戦となる8日も打ちまくり、白星をたぐり寄せてくれ!
久しぶりに味わう感触が、エルドレッドの手に残った。2打席連続本塁打は、12年9月26日の巨人戦(マツダ)以来。左翼席、そして三塁側内野席を真っ赤に埋めた鯉党の「宮島さん♪」を聞きながら、殊勲の4番が2度、ゆっくりとダイヤモンドを一周した。
2‐0の三回1死だ。ソトの外角高め、138キロのツーシームを逆らわずに振り抜いた。「力強く打てたし、芯で捉えることができた」。右方向へはじき返された打球は切れることなく、DeNAファンの悲鳴が交錯するスタンドに突き刺さった。7月2日の中日戦(豊橋)以来の本塁打だ。
これで終わらない。4‐0の五回無死。長田が投じた真ん中142キロの直球をフルスイング。今度は鯉党の歓声にも押され、左翼席上段へ飛び込んだ。「打った瞬間に『行ったな』と思った。しっかりと振り抜けたよ」。この日は、横浜スタジアム近くの山下公園で行われているイベントの一つとして、花火が打ち上げられた。ハマの夜空に描いた、美しい2本のアーチ。「花火のようなホームランと言ってもらってうれしい」と、満面の笑みを浮かべた。
初回にも中越え適時二塁打を放っていた。前日6日まで4番を務めたキラが、不調のためこの日は休養。代役として座った4番で3安打3打点の活躍だ。「ホームランも出たし、得点圏で打つのが4番の仕事。結果が出てうれしい」。野村監督は「2本のホームランを打ったし、3打点。使わないといけないな」と、8日も先発起用を示唆した。
故障、不調を乗り越えた。4月には右手を骨折。6月5日に復帰したが、バットは空回り。7月8日に出場選手登録を抹消された。「長いシーズン、ケガや不調はある。自分のできることをするだけ」。スイング時のタイミングの取り方や軸足となる右足に体重を残して打つフォームにするなど、試行を重ねた。
決してうつむかず、打撃フォームの修正に取り組んできた。そして9月1日に再昇格。前日6日に初戦を落とし、絶対に負けられない試合で大仕事をやってのけた。
来季の去就は不透明だが、「まだ来年のことを話すには早い」と言い切った。4位・中日が勝利したため、2ゲーム差は変わらず。それでも「今は勝つことしか考えていない。シーズンを、いい終わり方で終わりたい。ベストな力を出し切って(8日も)勝ちたい」。力強く言い切った背番号55の言葉は、頼もしい。