大瀬良、赤パンツでカープ大当たり!
「プロ野球ドラフト会議」(24日、グランドプリンス新高輪)
「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が24日、東京都内で開かれ、広島は1位で大瀬良大地投手(22)=九州共立大=を指名し、3球団競合の末に交渉権を獲得した。野村謙二郎監督(47)は10勝クインテット結成を期待した。
大学ナンバーワン右腕が胸を高ぶらせた。ようやくたどり着いたプロの世界で願ってもないチャンスに恵まれた。大瀬良が前田健への弟子入りを宣言した。
「投手として兼ね備えるべきものを全て持っている。できるだけそばにいてレベルアップできるようにしたい。投手に関することは全部、聞きたい」
運命の赤い糸に引き寄せられ、球界屈指の右腕とチームメートとなる。ドラフト会議が中継された九州共立大の会見場には、仲里監督の奥さんから勝負パンツとしてプレゼントされた赤いパンツをはいて臨んだ。
3球団が競合した抽選は、長崎日大高3年春から注目してくれていた担当の田村スカウトがくじを引いた。「何か縁があるのかなと思った」。広島の交渉権獲得が決まると、それまで硬かった表情が一気に和んだ。
広島への思い入れは強い。チームには長崎日大高3年夏の長崎大会準々決勝で対戦した清峰高出身の今村がいる。同学年では菊池(西武)、堂林よりも特別視する存在だ。
「彼の存在があったから、ここまでできたのかなと思う」。大学進学後は寮の部屋にプロ入りした今村の記事を、目に付く場所に張って力に変えてきた。
阪神‐広島のCSファーストS第2戦が行われた13日はマツダスタジアムでのパブリックビューイングで観戦。見ず知らずのおじさんからプレゼントされたチケットで入場した。「名前すら分からないけど、いつか感謝の気持ちを伝えたい」
その機会はすぐに巡ってくるかもしれない。「チームとして若くて、たくさんいい投手もいる。1年目から使っていただけるようにしたい」。最速153キロを誇る剛腕は、深い縁を感じながら憧れの世界へ飛び込む。