広島からＦＡ宣言した大竹寛投手（３０）が１６日、広島市内のホテルでソフトバンクと交渉を行った。４年契約で最大７億円とみられる好条件を提示され、満足そうな表情を浮かべた。２０１０年に痛めた右肩の不安が現在もあることを打ち明けたが、ソフトバンク側から調整法については一任され、これまた大満足。心は大きく揺らいだようだ。

　発する言葉には満足感が漂っていた。交渉を終えた大竹は、時折笑顔を浮かべ、報道陣から「好印象だったか」と問われると、「はい」と即答した。

　提示された条件面については「具体的には言えない」と言葉を濁したが、好条件だったのは間違いない。その証拠に、書類に記された条件提示に「自分を評価していただいているなと思った」と、はっきり言い切った。

　大竹の中で最も気になっていたのは右肩の問題だった。１０年の春季キャンプで痛めて以降、懸命のリハビリを経て昨年自己最多の１１勝を挙げ、復活。ただ右肩のケアには今でも余念はなく、特に気温の低い春のキャンプ中には毎日肩の状態を見極めながら調整していた。

　その不安を素直にソフトバンクに打ち明けた。「自分のペースとか、こういう感じなんですけどと言って、理解をしていただけた。そんなに大きなことではないが、大事なことなので話させてもらった」。ソフトバンク側は右肩については問題ないとし、調整法については大竹に一任することを容認。大きな問題はクリアされた。

　「いろいろな話を聞かせていただいたので、ほとんど僕の聞きたいことは話を聞けた」。今回行われた初のＦＡ交渉は、大竹にとって有意義な時間だったようだ。