大瀬良「鉄腕」目指す!50歳でも現役

 広島からドラフト1位指名を受けた大瀬良大地投手(22)=九州共立大=が16日、同校で入団交渉を行い、契約金1億円プラス出来高払い5000万円、年俸1500万円で仮契約した。大瀬良は「息の長い選手になりたい」と宣言。43歳まで現役だった広島OBの大野豊氏、現役最年長・中日・山本昌投手(48)のような「鉄腕」になることを誓った。

 球団から最高額の提示を受けた。満面の笑みで会見に臨んだ大瀬良は、「仮契約を終えて、これから本当の勝負が始まるので頑張ろうと思った」と、頬を緩めた。

 憧れ続けたプロの舞台。そのスタートラインに立った。自身が青写真を描く投手像は、明確だ。「少しでも息の長い投手になりたい。50歳近くまで大好きな野球がしたい」。広島では、前投手コーチの大野豊氏が43歳まで現役を続けた。現役選手では、中日・山本昌が48歳で最年長。山本昌は今オフの契約更改で落合GMから実質的な2年契約を提示されており、50歳までの現役続行を視野に入れる。黄金新人は、そうした球史に名を残す“鉄腕投手”超えを宣言した。

 投球面では、スピードにこだわらない。スポーツ学部に在籍する右腕の卒業論文は、自身の4年間の投球成績を分析したものになる予定だ。その作成過程で、球速ではなく球のキレと制球力の重要性を再確認した。

 ストライクゾーンを9分割。コース別の被打率、さらに球速を5キロごとに区切った被打率を算出した。結論は「スピードがあっても打たれていた。でも140キロ台真ん中(でキレがある球)の方が被打率は低かった。コントロールとキレが大事だと思った」。

 大学1年時は、ただ球速アップを目標としていたという。だが「その時が一番打たれていた」。2年時からはキレと制球力に思考をチェンジし、練習に取り組んだ。その結果「空振りが取れるようになった」と投球に手応えをつかんだ。

 侍ジャパンに選出され、参加した8~10日の台湾遠征でも、チームメートとなる野村にアドバイスを請い、制球力向上のヒントを得た。「スピードじゃない」。プロで進むべき道に迷いはない。

 現在は同校のグラウンドで体力強化に努める。「キャンプに向けてケガをしない体を作りたい」と、黙々と走り込みを行う。「常に向上心を持ち続けていきたい」。もっともっと自分を磨き、球史に残る鉄腕になる。

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