エルド復活弾“野村教室”実った
「巨人2‐7広島」(16日、東京ド)
打球は低い弾道で真っ赤に染まる左翼席に飛び込んだ。初回に1点を先制した直後、広島・エルドレッドが13号2ランを放った。「いいライナーだったのでおそらく入るだろうという感触はあった」。鯉党で埋まる左翼席を見ながらゆっくりダイヤモンドを回った。
10日の中日戦(マツダ)以来の一発は、それ以来の安打でもあった。13日の阪神戦(米子)ではプロ野球最多タイの5三振を喫し、13打席も「H」マークがともらなかった。
チームの快進撃を支えてきた主砲のブレーキ。移動日の15日には、野村監督から個別指導も受けた。その成果がいきなり出た。指揮官は「これで気分が楽になってくれるんじゃないかな。カリカリくるからね」とエル砲の復活を確信した。
主砲の一発に続き、五回には菊池が「無心でいきました」と中堅左に4号ソロ。1点を返された直後の六回には小窪が左翼席に2号ソロを放った。堂林のケガで三塁手は日替わりだが「余裕もないですけど、一生懸命できるだけ結果を出すだけです」と背番号4。野村監督は「小窪が勇気を出してくれた」と2ボールからの強振をたたえた。
空中戦で泣かされたのは昔のこと。3本塁打で圧勝し、3位巨人とのゲーム差は4・5に広がった。野村監督は「全員で戦っている」という。鯉の勢いはまだまだ続く。