大瀬良に“ご褒美”湯布院でリハビリC
「広島秋季キャンプ」(15日、日南)
広島・大瀬良大地投手(23)が、秋季キャンプを打ち上げた。17日から大分・由布市での「リハビリキャンプ」に参加するため。初めての秋季キャンプでは、新球のスプリットに手応えをつかみ、体力強化にも力を注いだ。2年目を迎える来季へ向け、充実した秋を過ごした。
表情がすべてを物語っていた。大瀬良が目尻を下げる。初めての秋季キャンプは、たくさんの収穫があった。
「100点。落ちる球種を来年は1つの球種に加えられる。走り込みもできた。充実していた」。最高の笑みとともに言った。
大きなテーマがスプリットの習得だった。12日の紅白戦では、それを多投。空振り三振を奪うなど2回を完全に抑えた。球速は140キロ台を計測。畝投手コーチは「よく落ちていた。打者もタイミングが合っていない」と太鼓判を押した。
チェンジアップの制球が定まらなかった今季。直球やスライダーに的を絞られ痛打された。投球の幅を広げるために取り組み、新たな武器を手に入れた。
体力強化にも重点を置いた。全体練習後、自主的に外野のポール間を走った。日が傾くことは日常茶飯事だ。「来年は違う自分を見せたい。少しでも練習しないと」。シーズン終盤に疲れから下半身の粘りを欠いた。その反省からランニングを課し、実践した。
時間のある時期だからこそ体のメンテナンスも忘れない。シーズン中から松原トレーナーに「股関節周りの筋肉が硬い」と指摘されていた。今回の紅白戦前日には股関節周りをほぐすマッサージを受け、「今までより球を前で放せた」と自身の体に理解を深めた。
最終日は投手陣全員で行った3・2キロ走で3位に終わった。「悔しいです」と苦笑い。負けず嫌いな性格は健在で、頼もしい。
17日からは由布市でのリハビリキャンプで体を癒やす。緒方監督は「1年間、頑張ったご褒美。キャンプもよくやった。しっかり1日、1日を過ごしてほしい」と力を込めた。
新人ながら10勝を挙げた。来季はその成績を上回りチームを24年ぶりの優勝に導くことが目標だ。「オフもしっかりと練習します」。土台はできた。さらなる成長を目指し、新たな一歩を踏み出す。