新井、黒田とともに完全復活へ
阪神を退団し広島に復帰した新井貴浩内野手(37)が5日、広島市内のトレーニングジム「アスリート」で自主トレを公開。米大リーグ・ヤンキースをFAとなり、古巣復帰を決めた黒田博樹投手(39)と、4番とエースのタッグ再結成を誓った。三塁の定位置奪取を実現させ、黒田の存在を励みに、完全復活を目指す。
若手時代から慣れ親しんだジム。新井は600キロの負荷をかけたレッグプレス10回を完遂した。心地よい疲労感に身をゆだねながらも、今季に向けて「心機一転、初心に帰るつもりでやります」と力強く語った。
8年ぶりの古巣復帰だ。同じく8年ぶりに、黒田も帰ってくる。「こういう時が来るとは想像もできなかった。本当にうれしい」と感慨に浸った。すでに連絡も取ったという。
カープの低迷期を支えた4番とエース。復活を期し、三塁の定位置奪取を狙う新井。大リーグで一線級のまま、巨額オファーを蹴って復帰を決めた黒田。立場には大きな差があるが「見てるだけで勉強になる。最高のお手本」と触発された。
黒田が先発する試合で4番に座る。主砲とエースとして再びタッグを組む。「そうなればドラマのような話。そこを目指して頑張りたい」。大きな目標を口にした。
新井は2007年9月27日のヤクルト戦(広島)で「4番・三塁」に座り、2安打1打点。大リーグ挑戦前のラスト登板だった黒田の白星をアシストしている。
当時と比べて「立場が違う。僕がどれだけやれるかがポイントになる」と現状を直視する。だからこそ復活へ向け、今オフは重点的に筋力を強化した。「自分の持ち味は長打。それを出せるようにトレーニングした。久しぶりに会う人から、体が大きくなったと言われる」と手応え。同ジムの平岡代表も「(昨季終了時)筋力が全盛期から全体的に3割ほど落ちていたが、ほぼ戻ってきた」と証言した。
今後は広島と神戸を往復しながら、自主トレを重ねる。「勝つためにベストを尽くす。いい姿をたくさん見せられるよう頑張りたい」と言葉に力を込めた。かつての主砲が黒田にけん引され、再び輝きを放つ。