マエケン直球勝負!15年は原点回帰
広島・前田健太投手(26)が30日、マツダスタジアムでの自主トレを行い、今季は直球で打者をねじ伏せる投球を取り戻すことを誓った。5年ぶりにタイトルを逃した昨季を振り返り、変化球に頼りすぎていたと分析。原点回帰を誓い、自己最速の153キロ更新にも意欲をみせた。
柔和な表情の中に、燃える思いが隠されていた。直球で押す-。前田は、目指す投球スタイルを明確に言葉にした。
「ストレートを増やしていこうと思う。去年は安全にいこうと、変化球が多かった。原点のストレートを伸ばす。そうすれば変化球も生きてくる」
昨季は27試合に登板して11勝9敗、防御率2・60。5年連続で2桁勝利をマークしたが、5年ぶりにタイトルを逃した。特に後半戦は12試合に投げて2勝5敗、防御率3・25。勝負どころで勝てなかった。「技術に走ってかわそうとし過ぎた。去年の後半にもう少し(直球を)増やしていけばよかった。大事なところであまり勝てなかったというのもある」。原点回帰し、直球で押す投球を取り戻す。
昨年末はインフルエンザ、年始には腸炎にかかった。体重は一時、4キロ減の76キロになった。「体重計が壊れているのかと思った」と振り返った。
それでも1月上旬から都内のトレーニング施設で行った大瀬良、中田、中崎、阪神・藤浪との合同自主トレでは、予定していたメニューは変更しなかった。「自分が一番、やらないといけない。手は抜けないから」。背中で後輩を引っ張る中で「体は強くなった」。体重も78キロまで戻った。この日はマツダスタジアムでキャッチボールなどを行い、キャンプ前の自主トレを終えた。
直球で押すためには、威力があることが最低条件。自身の最速は153キロだが「1キロでも速くしたい。大地(大瀬良)や晋太郎(藤浪)は馬力がある。僕はパワーがない中で速い球を投げてきた。パワーがつけばもっと速くなる」。エースらしく、相手をねじ伏せる投球で、チームをけん引する。