黒田即投げ!広島空港からマツダ直行

 米大リーグ・ヤンキースから8年ぶりに広島に復帰した黒田博樹投手(40)が15日、広島入りした。14日午後、米国から成田空港着の航空機で帰国。この日空路で広島入りすると、その足でマツダスタジアムへ。球団関係者に「時間があるから動きたい」と話し、キャッチボールなど約2時間、精力的に汗を流した。

 広島空港は朝から騒然としていた。待ち構えるファン100人と、50人を超える報道陣。午前11時28分、無数のフラッシュを浴びながら、黒田が到着ゲートに姿を見せた。「お帰りなさい」「待ってました」の声が飛ぶ。背番号と同じ15日。黒田がついに広島へ帰ってきた。

 トートバッグを左肩に掛け、紺色のブルゾンに、グレーのチノパン、白のスニーカーで登場。真っ黒に日焼けした顔は、終始引き締まっていた。鈴木球団本部長らと握手する際に笑顔を見せたが、その後は硬い表情で迎えの車に乗った。

 「僕に残された球数は、そんなに残ってない」と、背水覚悟で古巣に復帰した。鋭い眼光は闘う男の決意表明。その思いは行動にも表れた。球団関係者に「時間があるから動きたい」と伝え、マツダスタジアムに直行。14日の帰国後、24時間もたっていない中での練習再開だ。

 マツダスタジアムを訪れるのは、ドジャース時代の11年1月の自主トレ以来。胸に「Carp」のロゴが入った赤いパーカ姿でグラウンドに立った。一般開放されている球場内コンコースに偶然居合わせたファンも騒然。「お帰りなさい黒田投手」の声援に、両手を挙げて応えた。

 70メートルの遠投の後にバッテリー間の距離で立ち投げ。田中編成担当を相手に変化球も交えて投げた。カーブ13球、カットボール8球、スライダー9球。3球だけ投げたスプリットは鋭く落ち、捕球し損ねるほどだった。遠投も合わせて20分間で約120球。充実の“初投げ”となった。

 心配される統一球への対応にも、関係者に「革がしっとりしていて、投げやすい」と話すなど、違和感は全くない様子。球団側の配慮で報道陣への取材対応はなかったが、順調な調整ぶりがうかがえた。

 16日に広島市内で入団会見に臨み、18日から沖縄キャンプに合流する。緒方監督は「いろんな意味で配慮します。野球に集中してもらえるように」と説明。球団も万全の態勢を整えて迎える。24年ぶりの悲願へ、黒田の帰国で機運は一気に高まってきた。

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