黒田「カープで最後の1球」一問一答

入団会見で真剣な表情を見せる広島・黒田博樹=広島市内のホテル(撮影・金田祐二)
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 米大リーグ・ヤンキースから広島に復帰した黒田博樹投手(40)の入団会見が16日、広島市内のホテルで行われた。

 膨大な数のフラッシュを浴びながら、黒田は緊張の面持ちで壇上の席に着いた。

 共同会見の主な一問一答は次の通り。

 -8年ぶりの古巣復帰です。カープファンはこの日を待ってました。まずはファンに対してのメッセージを。

 「8年ぶりに広島に帰ってきまして、ファンの人たちの熱気というか、広島に帰ってきて一段と強いなあというのを一番感じました」

 -古巣での入団会見。今の率直な気持ちは。

 「報道陣の方の多さにまずは驚いてますし、今までカープにいて、ドジャース、ヤンキースで経験した中で、一番多いメディアの人に囲まれて、ちょっと戸惑ってます。当然、緊張もしてます」

 -(復帰表明から)1カ月間の気持ちの変化は。

 「実際広島に来るまではモヤモヤしたものはあったし、本当に自分の決断はこれで良かったのかと考えることも沢山あったんですけど、広島に来ていろんなファンの人の声を聞いて、まあこれで良かったかなと」

 -迷いは消えましたか。

 「現時点ではハイ。後は沖縄に行ってユニホームを着て、そこで気持ちがしっかりするんじゃないかなと思ってます」

 -今朝、松田オーナーとはどのような話を。

 「オーナー自身も『優勝するぞ』という気持ち強く持っておられたと思いますし、最後あいさつをして握手をして『優勝をしよう』と言われたので、自分自身もそれを聞いて胸が熱くなりました」

 -あらためてカープ復帰を決めた要因、理由を。

 「球団の熱意というのも当然ありましたけど、2006年に僕がFA権を最初に取った時にファンの人に心を動かしてもらったんで、逆に今度は自分がファンの人たちの気持ちを動かせられるか。そういう気持ちが大きかった」

 -カープ復帰の決断はいつ。

 「鈴木(球団本部長)さんに電話をした時。日本時間の(昨年12月)26日ですかね。あまり言葉にならず、自分で何を言ってるか分からなかったのが正直なところです」

 -カープの熱意が伝わった。

 「毎年毎年オフに声をかけてもらって、食事も一緒にさせてもらって、もう今年断ってしまうと2度と口をきいてもらえないんじゃないかと。根気よくずっと声をかけ続けてくれたんで。それが一番大きかったんじゃないかなと思います」

 -鈴木球団本部長は黒田投手から電話が入った時は。

 鈴木本部長「『帰ります』という言葉を聞いて、頭が真っ白になってどこへだろうと。『カープ』という言葉を聞いて、えーっという大きな声を出して、(携帯電話を持って)誰にも知られないロッカーへ入っていったのを覚えてます。可能性としては少ないとしながらも、彼が真剣に話を聞いてくれましたから。ホント、びっくりしました。(この日の会見で)あらためて存在感の大きさに驚いてます」

 -黒田投手、メジャーでの7年間は。

 「一言で言うと苦しかったです。言葉が分からない中でシーズン162試合を戦い抜く中で、それなりの結果を残さないといけないという、自分に勝手にプレッシャーをかけて7年間やってきた。楽しいというよりは苦しいという思いの方が多かった」

 -最も印象に残った出来事は。

 「去年(14年)のヤンキースタジアムでの最終戦。ジーターの最後でもあったし、自分も今シーズンどうなるか分からない中での最終登板だった」

 -メジャー7年間で成長した部分は。

 「技術的には何とか自分でアジャストしながら、少しずつ自分のスタイルを築いていけたかなと。アジャストする力というのは7年間で身についた。メンタル面に関してはドジャース、ヤンキースというメジャーを代表する大きなクラブチームの中でローテーションを投げ続けてこれた。苦しみながらもある程度はやれた」

 -メジャーでは日本人初の30球団制覇に王手をかけていたが。記録よりカープを選んで悔いはないか。

 「プロとして当然記録は大事かもしれないが、年齢を含めて考えると、カープに帰るなら今年しかないということです」

 -あらためてカープという球団はどういう存在。

 「最初にメジャーに挑戦した時から、もしか日本に帰るのならカープに帰ってきたいと口にはしてきた。その気持ちがブレないためにも何とかメジャーで結果を出し続けたい。それは一つのモチベーションになっていた。その気持ちにさせてくれるチーム。ましてや今回、僕と出て行った新井がね、カープに帰って来る。球団としての懐の大きさというか、度量の大きさというのをまたあらためて感じて、それもカープに復帰する大きな要因だった」

 -新井選手との縁を感じるか。

 「僕が出て行って、彼の気持ちも揺れ動いたと思うし、責任は感じる。今シーズン一緒にプレーできるのは良かった」

 -カープで投げる方が1球の重みを感じると話していたが。

 「ヤンキースに移籍してから毎年1年ずつ契約させてもらったし、年齢的な部分を考えても先はホントに長くない。いつ最後の1球、最後の登板になってもいい。そういう気持ちでやってきたので、その1球のためにどれだけ気持ちを込めて投げられるかと考えた時に、日本でカープのユニホームを着て投げる方が、最後の1球になったとしても後悔は少ないんじゃないかと、自分自身で判断しました」

 -今回の決断は野球人生において、どういう決断に。

 「今まで1年1年悩んで進路を考えてきたけど、今回ほどたくさん悩んだことはなかった。これが最後と思って決断を下した」

 -野球人生を終えることを視野に。

 「もう40歳ですし、皆さんが期待するほどのピッチングができるかどうかも分からないですし、現時点ではそこまで自信が全くありません。その中でもがき苦しみながらも最後はカープのユニホームで投げたい」

 -年明けからロスで自主トレ。現在の体調は。

 「年相応よりは少し若いくらい。体力作りと肩作りは変わらずやってきた」

 -明日からチームに合流。期待と不安どちらが大きい。

 「不安しかないです」

 -今のカープについては。

 「若い選手が主力となって戦っている。僕がどういう役割、立ち位置でどれだけ貢献できるか全然見当もつかない。今後作っていければいいかな」

 -前田健太投手にはどういう言葉を。

 「素晴らしいピッチャーとは誰もが認めている。今年1年チームメートとして戦っていく。その中で何か手助けできればいいかなと思う。それは彼に限らず、若い選手が沢山いるんで」

 -ともにプレーした緒方新監督が指揮を執る。8年前と違う点は。

 「(相手の)バッターに関しても全然データのない選手がいっぱいいる。オープン戦などで研究していかないといけない」

 -監督は復帰後初登板をマツダスタジアムでと。マウンドに立つイメージは。

 「イメージは湧いてこないです」

 -200勝まであと18勝。

 「現時点ではそこにこだわりなはいです。もしかすると199勝で引退するかも分からない」

 -自身19年目のシーズンにかける意気込みは。

 「もう先は長くないので毎試合この1球が最後だと思って常にマウンドに立っていきたい」

 -カープファンに向けて。

 「どこまでできるか分からないですが、マウンドに上がる気持ちは何歳になっても変わらない。勝ちたいという気持ちも変わらないので、それを出していきたいし、そういう気持ち数多くの人に見てもらえたらいいかなと思います」

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