堂林2軍危機…三塁争奪バトル崖っぷち

 「練習試合、広島1-2西武」(12日、マツダ)

 三塁争奪バトルが激化した。広島の緒方孝市監督(46)が12日、西武との練習試合(マツダ)で、今年初めて三塁に梵英心内野手(34)を起用した。三塁候補には実績のある新井貴浩内野手(38)もおり、対外試合で結果が出ない堂林翔太内野手(23)にとっては厳しい状況。開幕まで実戦は残り7試合。このまま結果が出なければ、背番号7の姿が開幕1軍のベンチに見られないかもしれない。

 開幕まで残り3週間を切った。24年ぶりの優勝を目指すシーズンを目前に、今年初めて梵を三塁で起用した緒方監督。「結局、サードに入る選手は、こういう形になるかな」とつぶやいた。

 2月のキャンプからここまで、実施された対外試合は全13試合。梵や新井ら実績あるベテラン勢がいる中、主に三塁を守ってきたのは堂林だった。だが11試合で22打数5安打。打率・227と結果が伴わない。この現状に指揮官は名指しこそしなかったが、堂林や美間ら三塁を守る若手に対し、残された“期間”を言い渡した。

 「そんなに甘いもんじゃない。1試合に何回もチャンスをあげようと思ってない。限られた試合の中で、どうアピールするか。(福山から)帰ってきたら1、2軍の入れ替えをやる方向でいます」

 当初はこの日の西武戦までが、若手に与えられた試合だった。しかし指揮官は10日の阪神戦後に“追試”を決定。14日に福山で行われるオリックス戦まで、見極め期間を延長していた。15日・オリックス戦(マツダ)からは「シーズンに備えた戦い方になる」と説明。若手へのチャンスは残り1試合になった。

 木村昇、広瀬、赤松らベテラン組は20日・ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)までに合流する予定。開幕メンバーはここで最終決定される方針だ。

 この日、途中出場で一飛に終わった堂林は「出番が減っているのは間違いない。少ない所で結果を残さないと、(1軍に)残れない」と厳しい表情を浮かべた。4年連続で開幕1軍のメンバーに名を連ねているが、それも途切れる可能性が出てきた。「状態がいい、悪いじゃない。言われた所でしっかりやるしかない」。今まで何度も逆境をはね返してきた。崖っぷちに立たされた今、一発逆転に全てを懸ける。

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