ロサリオ激走&V打…だけど懲罰交代
「ヤクルト2-6広島」(2日、神宮)
100キロの巨体を揺らして走る、走る。広島・ロサリオがトップギアのまま本塁へ滑り込んだ。誰もが予想しなかった激走。自らの好判断で1点をもぎとった。
「野手の取った位置と取り方が悪かったので、強い球が投げられないと判断した。自信?あったよ」
0-1の五回だ。先頭で三塁内野安打を放つと、二盗に成功。続く梵の左前打で三塁へ進んだ。無死一、三塁で、鈴木誠の打球は二塁後方へ力なく上がった。だが二塁山田がその飛球を捕った瞬間、ロサリオは迷いなく本塁へ突っ込み、捕手のタッチをかいくぐって生還。二回に自身の悪送球で先制点を許したミスを取り返した。
全力疾走-。米・マイナー時代、当時在籍したチームの監督から授かった教えだ。「走塁にスランプはない。積極的に次の塁を狙うことは大切」。その言葉を体現した。
1-1の六回2死二塁では左翼線へ勝ち越しの適時打を放った。だがこの時、二塁を狙える当たりだったにもかかわらず、一塁でストップしたため、次の回に懲罰交代。喜びすぎて少しだけ気が緩んでしまった。
陽気な助っ人は反省しつつも「大きな1勝。明日もみんなで戦って勝っていきたいよ」と笑顔を浮かべた。