さすがキラー!野村G斬り3戦3勝
「巨人4-5広島」(14日、東京ド)
Gキラーだ!広島・野村祐輔投手(25)が7回9安打3失点で3勝目をゲットした。二回に3失点したが、その後は持ち味の粘り強さを発揮し、巨人打線の反撃を封じた。今季3勝は、すべて巨人からの白星。何度も苦汁を飲まされてきた天敵に、相性の良さを見せつけた。チームは連敗を2で止めて最下位を脱出。阪神と同率の4位に浮上した。
敵地のマウンドで、野村が躍動した。終盤でピンチをしのぎ右拳を握る。「もう1点もやれないと思って投げた。攻めた」。今季3勝目は、持ち味を十分に発揮してつかみ取ったものだ。
1-0の二回、アンダーソンに右中間へ2ランを浴びるなど3失点した。だがそこから崩れないのが今季の野村だ。三回以降、走者を背負っても本塁だけは踏ませなかった。5-3の七回2死二塁では阿部を二ゴロに打ち取りガッツポーズ。「気持ちを切り替え粘り強く投げた」。七回まで9安打され、3四死球を与えながらも終わってみれば失点は二回の3点のみだった。
巨人戦には無類の強さを誇る。4月8日の巨人戦(マツダ)で今季初勝利を挙げて以降、これで巨人戦は3戦3勝。Gキラーぶりに「そんなことはないです」とはにかんだ。それでも「毎回、いいイメージを持つようにしている」と、強力打線を相手にしても苦手意識はない。
Mr.Childrenの曲に励まされている。マツダスタジアムでの登場曲は、4年目の今季も1年目と同じミスチルの「ファンファーレ」。高校以前から好きなアーティストだったが、明大時代に同部屋だった選手が好きだったのをきっかけに、再び目覚めたという。
最も好きな曲は「Marshmallow day」で「雰囲気が好き」と笑う。携帯電話には約200曲が収録されており、移動時間に耳を傾ける。ライブ情報も常にチェックし、「シーズンオフにあれば行きたい」と目を輝かせる。
「粘り強く投げるのが自分の投球」と野村は言い切る。チームの連敗を2で止め、再び緒方鯉に勢いを付ける粘投劇。「去年までなら試合をつくれなかったけど、今年は成長した姿を見せてくれている。ナイスピッチング!」。緒方監督の言葉がチームの、野村への思いだ。