鯉5カード連続負け越しも執念7点返し
「交流戦、広島10-12ロッテ」(28日、マツダ)
緒方鯉が痛恨の連敗で5カード連続の負け越しを喫した。広島は2戦連続の投壊で借金は今季ワーストタイの「8」。過去、借金9からリーグ優勝したチームはなく、再び崖っぷちに立たされた。だが9点ビハインドの八回、打者一巡の猛攻で7点を奪って猛追。緒方孝市監督(46)は「最後まで絶対に諦めないんだという気持ち。1点でも多く取って、勝てる試合をつくっていく」と打線の粘りを評価し、今後の巻き返しを誓った。
スタンドからは容赦ない怒声、ヤジが飛んだ。2戦連続の投壊、大量失点。だが、ナインは最後まで戦う姿勢を見せた。9点ビハインドから一挙7点を奪う猛追。新井が、菊池が、会沢が、勝利への執念を背中で示した。
八回だ。ビハインドは9点。絶望的な点差でも意地を見せた。丸、新井の連打で無死二、三塁。1死を挟んでまずは、エルドレッドが左前適時打。続く会沢は今季3号3ラン。木村昇、鈴木誠も連打でつないだ。
田中の三振を挟んだ2死二、三塁で点差は5点。打席に立った菊池は、2ストライクからの4球目、松永の外角低めスライダーを狙った。「絶対に打ってやろうと思った」と、高々と舞った打球は左翼スタンドに到達。4号3ランで7点を奪い返し、差を一気に2点に縮めた。
後続が倒れ、反撃はあと一歩及ばなかった。それでも野手陣が見せた執念に、緒方監督は「最後まで絶対に諦めないんだという気持ち、集中力の表れ。見事な攻撃だった」と評価。「悔しいです」と、敗戦に肩を落とす菊池も「内容に悪い感じはない。まだ先はあると思います」と、今後の逆襲を強く誓った。
5カード連続の負け越し。借金は今季ワーストタイの「8」に膨らんだ。2試合連続での大量失点。打撃陣が調子を上げてきているだけに、歯車のかみ合わない現状がもどかしい。だが、ここ5試合で37得点。緒方監督は「前半は投手に助けられた。野手が1点でも多く取って、勝てる試合をつくっていく」と、今後の戦況を描いた。
「みんなどんな状況でも最後まで、絶対に諦めないという気持ちだった」。新井もナインの総意を代弁した。2打点で今季3度目の猛打賞に7戦連続安打。4番の活躍が光る。「あともう少しだった…。こういう気持ちでまた毎試合、臨んでいきたい」。まだ、戦いは続く。総力戦で浮上への道を探る。