「マツダオールスターゲーム２０１５」のファン投票の最終結果が２６日発表され、広島勢は両リーグ最多の５人が選出された。新井貴浩内野手（３８）は、パ・リーグ先発部門で選出された日本ハム・大谷翔平投手（２０）からの本塁打を宣言した。２９日に選手間投票、７月２日に監督推薦の結果が発表され、全出場選手が出そろう。

　鯉党のみならず、全国の野球ファンから絶大な支持を受けた。新井が、阪神時代の１３年以来となる６度目の球宴出場。ファン投票では、０８年以来２度目の選出だ。「うれしいの一言。たくさんの人に投票していただいて感謝している」。白い歯をこぼし、満面の笑みを浮かべた。

　猛者が集う中で、日本ハム・大谷撃ちを誓った。対戦したい投手に、昨年の球宴第２戦（甲子園）で日本球界最速の１６２キロを計測した剛腕を挙げ、「ホームラン？そういう姿を見せられたら最高です」とニヤリと笑った。

　最も思い出に残っている球宴は、初選出された０２年の第２戦（坊っちゃんスタジアム）。日本ハム・隼人から左中間席へアーチを描いた。「すごくアゲンスト（逆風）で、松井さんのホームラン性の打球はホームランにならなかった。でも自分のときはホームランになった」。直前に広島の松田耕平オーナーが他界。喪章を付けて臨んだ試合で、成長した姿を天国に届けた。

　３６万４７７６票の期待を背負ってグラウンドに立つ。「自分が楽しむという気持ちはない。投票してもらった人に楽しんで、喜んでもらえるプレーをしたい。レギュラーシーズンと同じように真剣に、一生懸命やっていく」。３８歳は夢舞台でも、全力プレーを貫く。