ロサリオ救った!再逆転2ランで4位浮上
「DeNA4-5広島」(2日、横浜)
真っ赤に染まった敵地・横浜を熱狂させる逆転劇だった。3-4の八回、広島のライネル・ロサリオ外野手(26)が起死回生の逆転2号2ラン。チームのDeNA戦連敗を4で止め、同一カード3連敗を阻止。4位浮上に貢献した。外国人枠の問題で1軍生き残りがかかる助っ人が、昇格後初スタメンで最高の結果を出した。
敵地の鯉党が沸騰した。ベンチのナインが総立ちになった。ロサリオが放った打球は、バックスクリーンに突き刺さった。3-4の八回無死二塁。平田が初球に投じたスライダーを捉えた。逆転2号2ラン。チームを勝利に導く一撃となった。
5月20日・中日戦(豊橋)以来のスタメン出場。体調不良のシアーホルツに代わり、1日に昇格したばかり。「非常にいい感触だった。ボールがよく見えて、いいスイング、いいコンタクトができた。真っすぐに絞りながら、変化球に対応できた。うれしい。幸せだ」と声を弾ませた。
六回に梶谷の3ランで逆転されながら、ロサリオ弾で再逆転勝ち。緒方監督は「この時期は投手がきつい。野手が打って助けないと。そういう意味でキク(菊池)、丸、ロサ。彼らが応えてくれた」と最敬礼。チームはDeNA戦連敗を4で止め、4位に浮上した。
練習生から支配下登録され、今年で2年目のロサリオ。チーム内で「おさむ」と呼ばれるムードメーカーだ。石原に「スーパースター」と帽子のつばに書き込まれ、試合前には「おさむ」の名付け親である石井守備走塁コーチから「一発を打ってこい」とハッパをかけられた。
5月21日に出場選手登録を抹消されたが、修正して1軍に戻ってきた。「打てる球を打つための我慢や、肩が開かないように気をつけた」。妻の出産に立ち会うため一時帰国していたエルドレッドの再登録はすでに可能な状態で、グスマンの状態は上がり、シアーホルツへの期待値も高い。外国人枠の問題で、1軍生き残りをかけた戦いが続くが「昨年から置かれた状況は同じ。自分のできることを一生懸命やる」と、前だけを向いた。
ドミニカ出身の陽気な助っ人は「暑い方が好き。体がほぐれて動きやすい」とうなずいた。夏本番。起爆剤になる資格は十分にある。