黒田ツバメ斬りじゃ!日米通算5百登板

 広島の黒田博樹投手(40)が、先発する11日・ヤクルト戦(マツダ)で、日米通算500試合登板を迎える。チームは巨人相手に3連勝と波に乗り、首位阪神とは3・5ゲーム差。本拠地でのヤクルト3連戦3連勝ならAクラスに浮上する。「目の前の1戦、1戦に集中するだけ」。チームを4連勝に導き、節目の登板を白星で飾る。

 黒田は10日、真夏の太陽を浴びながら、黙々とダッシュを繰り返した。強いキャッチボール後は、室内で体のメンテナンスなど、普段と変わらぬルーティンを消化。巨人相手に3連勝で巡ってきたバトンを手に、黒田は厳しい表情のまま覚悟を語った。

 「目の前の1試合、1試合に集中する。その積み重ねですね」

 本拠地マツダスタジアムで戦う6連戦。ヤクルト、DeNAと続く1週間は、上位進出へのカギを握る。借金3で、首位阪神とは3・5ゲーム差。初戦を託された黒田は、ヤクルト相手に4試合の登板で2勝1敗、防御率2・33と安定した成績を残す。また本拠地では8試合で3勝1敗。防御率2・47と好データが並ぶ。

 前回4日の阪神戦(マツダ)は6回を7安打4失点。チームは逆転勝ちしたが「打たれた回はボールが中に入って、下位打線に連打された。そこが反省点」と振り返る。中6日で巡る登板。上位進出も見えるが「位置を考えて投球はできない。与えられた試合を投げるのが大事。しっかりコンディションを合わせたい」と、一戦必勝でマウンドに上がる。

 チームの重要な一戦は、黒田にとって節目の試合でもある。日米通算19年目で、500試合登板に到達。球団では長谷川良平、安仁屋宗八、北別府学、大野豊らが記録している。黒田の中継ぎ登板は過去28試合しかなく、先発として長くローテーションを守ってきた勲章といえる。

 「初登板から考えると、そういう数字に、まさかたどり着くとは思っていなかった。いろんな人に支えられていたと思います」

 黒田自身、積み重ねた数字に驚き、支えられた人に感謝した。だが、シーズン真っ最中。感慨にふけることなく「数字は引退してから涼しいところで考えます」と笑わせた。500試合も、501試合もチームを勝利に導き、頂点を目指して戦う。残り45試合。まずは3連勝の勢いに乗って、節目の試合を白星で飾るだけだ。

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