黒田500試合登板も…痛恨の2被弾
「広島0-5ヤクルト」(11日、マツダ)
4連勝ならず…。広島の黒田博樹投手(40)が5回7安打5失点で5敗目を喫した。5失点は今季ワーストタイで、5回降板も今季最短タイ。日米通算500試合登板を飾れず、打線も今季11度目の完封負けと沈黙。黒田は「反省と修正の繰り返し。次に向かって修正する」と雪辱を誓った。
打球の行方を見届けることなく、ぼう然と黒土を眺めて歩いた。勝負を分けた80球目。黒田は「完璧にやられた」と、潔く失投を認めた。5回7安打5失点。日米通算500試合登板を白星で飾ることはできなかった。
「2-3からファウル、ファウルで粘られて、正直にいきすぎた。あの打者相手に、あそこに投げると打たれる。もう少し内側を攻めればよかった。打たれてから、ですけど」
山田に負けた。悔しさを押し殺して振り返ったのは、2点ビハインドの五回だ。2死後に暗転した。比屋根にセーフティーバントを決められると、川端の四球を挟んで山田。フルカウントから、ファウルで2球粘られた9球目、内寄りに甘く入ったツーシームをフルスイングされた。
左翼席コンコースで跳ねた打球。二回の大引に続き、復帰後初の1試合2被弾。勝負どころで高めに浮いた。「3点目は、きょうの相手投手を考えれば厳しい」。単打でも失点を重ねる場面。力勝負の結果に「その駆け引きは難しいが、3点目を防ぎにいった5失点」と敗北を受け止めた。
不運もあった。初回は2死から山田の遊撃内野安打後、盗塁に失策が絡んで2死三塁。畠山の打球は高く弾み、遊撃内野安打で先制点を失った。初回と五回。いずれも2死からの失点に「もったいなかったです」と悔やんだ。5失点は5月1日のヤクルト戦に並ぶ今季最多失点で、5回降板も同15日のDeNA戦に並ぶワーストだ。
日米通算500試合登板。節目の記録には「今はそれどころじゃない」と関心を示さなかった。借金4、首位・阪神とは4・5ゲーム差。疲労を抱える体は正念場を迎える。「反省と修正の繰り返し。次に向かってまた修正していく」。だが、黒田なくして浮上はない。残り44試合。今が踏ん張りどころだ。強く雪辱を誓い、40歳右腕は不屈の精神で次回登板への準備を始めた。