福井9勝!自力V消滅の危機救う粘投
「広島2-1巨人」(22日、マツダ)
逆転劇を呼び込む力投だ。8回6安打1失点。福井が新人時代の11年にマークした自己最多の勝ち星を更新し、チームトップタイとなる9勝目を挙げた。
開き直った。八回に井端に先制打を浴び、なお1死一、二塁。「後味が悪くならないよう、よく投げたと言ってもらえるよう頑張った」。長野をフォークで二ゴロ併殺に封じた。グラブをベンチにたたきつけ「大きな失点。悔しかった」と己への怒りを爆発させたが、直後にエルドレッドの逆転弾が出た。
今季初の中5日。3四球で1死満塁のピンチを招いた七回限りでの降板も考えられたが、緒方監督は続投を選択した。「彼の目が死んでいなかったし、投げたいという気持ちが見えた。八回を1点で食い止めたのが成長したところ。今年の彼は崩れない。よく投げてくれた」と、121球の力投をたたえた。
福井は試合をつくることを重視するが、この日は違った。「チームがこういう状態なので、投げている間に、負けたくない、勝ちたい、と気持ちが変わった」。気迫を前面に出した。チームの連敗を止めた。自力優勝消滅の危機を救った。
自己最多の9勝目。「うれしいが油断せず、まだまだ勝ちたい」。右腕は優勝をあきらめずに、ただ前だけを見据えた。