福井3度目の正直ならず…2桁星お預け

 「広島3-3中日」(9日、マツダスタジアム)

 3試合連続で、広島・福井は2桁勝利に手が届かなかった。中盤に右越え2ランを被弾。一時勝ち越しを許したが、それでも大量失点しない粘投劇で8回4安打3失点にまとめた。

 三回まで完全投球ながら、1-0の四回につかまった。「押し出しが悪いのではなく、それまでのランナーのため方が悪かった」。2死後、連打と四球でピンチを招いてから押し出し四球。スパイクのひもが頻繁にほどけるアクシデントもあり、集中力を保(たも)てなかった。

 1-1の五回は先頭・桂の一塁ファウルゾーンに上がった打球を菊池、新井、下水流がお見合いして捕球できず。ファウルで仕切り直しになって右前打を許すと、1死後に大島に右翼席へ放り込まれた。「(四回の失点から)気持ちを切り替えられなかった。甘かった部分」。自分を責め、唇をかんだ。

 だが、再びギアを上げられるのが今季の右腕だ。六回以降は無安打投球。許した走者も四球の1人だった。「基本に戻って1アウト、1アウトを取っていこうと思った」。原点回帰で必死に腕を振った。

 九回に打線が追い付いて黒星は消えた。「守備でもいいプレーがあったし、野手の人に感謝したい。次はチームを勝たせる投球をしたい」。チーム一丸で夢をつなぐ-。その思いをさらに強くした。

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