マエケンも負けた 痛恨連敗で奇跡遠のく
「中日8-2広島」(19日、ナゴヤドーム)
広島の前田健太投手(27)が、4回0/3を8安打7失点(自責点6)と乱れた。今季ワースト失点で8敗目。自身の連勝は5で止まった。勝負の12連戦で黒田、前田の両輪で、最下位相手にまさかの連敗スタートだ。20日からは、本拠地に戻って5位DeNAと2連戦。これ以上の取りこぼしは許されない。
重い足取りでベンチへ戻った。うつむき、厳しい表情で歩く。前田が今季ワースト7失点KO。5回を持たず降板し、自身の連勝は5で止まった。チームは最下位中日に痛恨の連敗。勝負の12連戦は苦しいスタートとなった。
エースは自責の言葉を並べた。
「点の取られ方が悪い。四球でランナーを出してしまったので。2アウトから…。もったいなかったです」
1点リードで迎えた四回。悪夢は2死から始まった。ここまでわずか被安打1。だが、平田に右前打を許すと突如乱れた。森野、エルナンデスに連続四球で満塁。続く藤井に右前2点適時打を浴びた。杉山には直球を狙い打たれて左前に運ばれ、計3点を失った。
さらに五回だ。先頭の大島に右前打を許すと、亀沢の投手前の犠打を二塁悪送球。今季3個目の失策で傷口を広げると、歯止めが利かなくなった。ルナ、平田、森野に3連打で2失点。代わった一岡も藤井に2点適時打を浴び、前田の失点は7に膨らんだ。
チームが今季わずか1勝(10敗)の敵地ナゴヤドーム。唯一の勝利は前田が挙げたが、最後は鬼門が立ちはだかった。「投げにくさ?そういうのは感じなかった」と振り返ったが、26試合の登板中23試合でクオリティー・スタートを記録。絶対エースの炎上に、緒方監督も「スライダーの曲がりがいまいちで、勝負どころで球が浮いた」と首をひねった。
前回13日の阪神戦で中4日登板。この日は中5日とフル回転が続いている。シーズンも終盤。この日は最速148キロで、普段のキレは影を潜めた。疲労は隠せない。それでもエースは「大事なところを任されているので。投げる試合は全部勝たないといけない。申し訳なかった」と自身を責め続けた。
首位ヤクルトに4・5差で、3位巨人とは2・5差。最下位チームに黒田、前田の両輪が打ち砕かれた。だが2人は12連戦中、2度ずつ登板機会が残る。「広島に帰って気合を入れ直す。ウチは勝つしかないので、開き直っていきたい」とは緒方監督。20日からは本拠地で、5位DeNAとの2連戦。求められるのは勝利だけだ。