マエケン熱投実らず…メジャー挑戦へ

 「広島0-3中日」(7日、マツダスタジアム)

 広島・前田健太投手(27)が今オフ、ポスティングシステムによるメジャー挑戦の意志を球団に伝える意向であることが7日、分かった。球団側は昨季とは異なり、エースの夢に一定の理解を示しており、ファンの理解を得られるかを考慮しながら、熟考して慎重に方針を定めていく方向だ。前田はこの日、中4日で先発し7回無失点と好投。チームは敗れたが、最終戦までエースの務めを果たした。

 雄たけびを上げ、右拳を握った。七回2死一塁。前田はルナを二飛に仕留めた。「ランナーを出しても粘り強く投げられた」。今季2度目の中4日登板で7回6安打無失点。エースの存在感を示す、魂の125球目だった。

 本調子ではない中で、逆転でのCS出場を信じて右腕を振り続けた。三者凡退は2度だけ。だが気迫を前面に押し出した、エースらしい投球だった。

 143試合を戦い抜き、これからは自身の去就に注目が集まる。試合後は「終わったばかり。家族もそうですし、球団ともいろいろと話し合って決めていきたい」と話すにとどめた。それでも、以前から「口に出したからには、そう簡単には変わる意志ではない」と話しており、胸に抱きづけている思いに変わりはない。メジャー挑戦-。今オフもポスティングシステムを求めるのは確実だ。

 10年から球団と海外挑戦について話し合い、13年の契約更改後に初めて公言。ポスティングシステムでの移籍を目指した昨年は、11勝9敗と不本意な成績に終わり「ファンの後押しを得られない」(球団首脳)と見送られた。今季は、昨季の11勝を上回る15勝を挙げ2年ぶりのタイトルとなる最多勝に輝いた。球団首脳は「今年はエースらしく頑張ってくれた」と話している。

 球団は今オフ、前田の処遇について時間をかけて判断する方針だ。「本人の申し出があれば考える」と球団首脳。ポスティングシステムを用いた挑戦に一定の理解は示している。一方、重要視するのは昨年同様にファンの機運だ。エース流出となれば戦力ダウンは免れず、ファンの後押しがある形になるかを熟考する。

 前田は順調なら来季に国内FA権、17年に海外FA権を取得する。最も体が動く現在の挑戦を思い描く。エースが野球人生の岐路に立った。

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