新井コーチ辞任 丸に“最後のゲキ”

 広島は8日、新井宏昌打撃コーチ(63)が今季限りで辞任すると発表した。この日マツダスタジアムを訪れた新井コーチは、まな弟子である丸佳浩内野手(26)の巻き返しを願った。

 得点力不足に悩んだ今季の責任を取った新井コーチ。3年間の在籍期間を振り返り、主力に育てた丸へ「もう一度修正したかったが、本人も考えてやるでしょう。彼が頑張らないと、また外国人頼みになる」と期待を寄せた。

 丸は2年連続で全試合出場を果たすも、今季は打率・249、19本塁打、63打点に終わった。昨季から本塁打、打点はほぼ横ばいも、打率は・310から大きくダウンした。

 この日所用で球場を訪れた丸は、恩師から「復活せなアカンで」と声をかけられた。二人三脚で打撃フォームをつくり、飛躍につなげた丸は「新井さんは僕の知らない知識を教えてくれた。いなくなっても、その考えはいつまでも残る」と、感謝を口にした。

 新井コーチは今季筋トレで強化してきた丸に、最後の言葉を贈った。「僕は体をつくりすぎて失敗した例を多く見てきた。彼は体が硬い。シャープさ、しなやかさを求めるコンディショニングの方が大事になる」。菊池、松山らを育てた名伯楽が、静かに広島を去った。

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