大瀬良「先発で勝負」あの涙から再出発

 涙の再出発じゃ!!広島の大瀬良大地投手(23)が11日、「成長した姿を見せたい」と来季の雪辱を誓った。CS出場が懸かった今季最終戦の7日・中日戦(マツダ)で、同点の八回に3点を失い敗戦。降板後は涙が止まらなかった。3年目となる来季。「先発で勝負したい」と再転向を目指す右腕は、終戦翌日から無休で練習に没頭している。

 目を閉じれば、あの日の光景が浮かぶ。課題と収穫、屈辱を味わった2年目。阪神と巨人がCSで熱戦を繰り広げる中、大瀬良は「悔しかったら練習するしかない」と悲壮な決意を漏らした。胸に秘めるのは来季の雪辱、そして成長。3年目の飛躍へ動きだした。

 プロ1年目に10勝を挙げ、先発の柱として期待された2年目。だが序盤から1勝6敗と負けが先行し、チーム事情もあって6月10日の西武戦から中継ぎに配置転換となった。「2年目もいろんな勉強をさせてもらった。初めての経験でよかったこと、悔しかったこと。いろいろあった」。

 終盤は蓄積疲労が見え隠れした。勝てば3位、負ければ4位が決まる最終戦。0-0の八回に登板したが、1死しか奪えず3失点。降板後は「よくないと分かっていたけど、プロで初めて」と、人目もはばからず泣いた。試合後は前田に肩を抱かれ、黒田に言葉を掛けられた。

 「2人に言われたことは同じようなことで。これはチームみんなの結果なんだ、と。全部を背負うことはない。来年、もっと大きな投手に成長してくれと言っていただいた」

 涙に誓った再出発。昨年はシーズン終了後の1週間を、完全休養に充てた。しかし今季は全日程終了翌日から即再始動。「鉄は熱いうちに打てじゃないけど、1日1日が大事になってくる。休む時間はないです」。3年目の来季、目指すのは先発への再転向。「中継ぎの経験が生きてくる。先発で勝負したい」と力強く言い切った。

 現在はランニングなど、下半身の強化が中心。肩、肘を休めるためにボールは使わず、基礎トレーニングに力を入れる。理想に掲げるのは先発完投型の投手だ。投球の幅を広げるために秋季練習、キャンプで、スプリットの完全習得も目指す。

 「中継ぎをやっていると、完投してくれる投手がありがたかった。そのためにもう一回、一から体をつくり直す」。悔しさは力に変える。真のエースへ。大瀬良の3年目は、もう始まっている。

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