キクマル異例の強化指定!練習あるのみ
広島の緒方孝市監督(46)が13日、マツダスタジアムで14日から始まる秋季練習を前にスタッフミーティングを行い、今季不振だった丸佳浩外野手(26)、菊池涼介内野手(25)による“キクマル”の巻き返しを今秋の重点ポイントに掲げた。屈辱のBクラス転落から再起を期す来季。田中広輔内野手(26)のさらなる成長とともに、指揮官が就任時にリーダーに指名した“キクマル”が再びキーマンになる。
日も暮れかかった午後5時半すぎ。早朝からマツダスタジアムでスタッフミーティングや、ドラフト指名候補の映像チェックなどを続けた緒方監督が、帰途に就く前に力強く語った。
「今いるメンバーをいかにして力をつけさせるか。中心になって引っ張れる選手が必要になる。今年の強化指定はキク(菊池)、丸、(田中)広輔、そういう選手が主になる。今季の成績では困る。練習しなくては」
今年不動のレギュラーを張った同級生の3人を指名した。野村前監督時代も含め、昨年までなら堂林や鈴木誠らレギュラー定着を目指す選手の名前が挙がっていたはず。それが昨秋の監督就任時にチームリーダに指名した“キクマル”に、特に強く奮起を促した。
3年ぶりのBクラス転落となった今季。丸は打率・249、19本塁打63打点に終わった。本塁打、打点は昨年並みだったが、打率は・310から大きく後退。リーグ最多143三振を喫するなど精彩を欠いた。
菊池も打率・254、8本塁打32打点と低調。昨年の打率・325、11本塁打58打点をすべて下回った。驚異の守備力は健在だったが、本来の力はこんなものではない。
菊池と丸は2年連続全試合に出場し、不動のレギュラーを務めた。2年目の田中は初めて規定打席に到達し、打率・274、8本塁打45打点と及第点も、遊撃守備でリーグワースト22失策は改善の必要がある。次代を担う3人だからこその強化指定だ。
指揮官は11月1日から始まる予定の日南秋季キャンプについて「実戦をかなり増やす。1、2軍をはっきり分ける。秋から競争で絞っていく」と明言。大人数を1軍メンバーに加えた昨秋とは一変。今季の反省を踏まえ、練習成果を実戦で出せるよう工夫。さまざまな方針転換を図る。
丸はシーズン終了後「課題はたくさんある。キャンプまでに課題の優先順位を決めたい。今季はふがいなかった」と反省していた。“キクマル”ならば巻き返す。指揮官の期待の大きさは、来季も変わらない。