来季も「鯉の赤松」FA権行使せず
今季、国内FA権の資格取得条件を満たした赤松真人外野手(33)が15日、権利を行使せず残留を決めた。秋季練習後に、球団との初交渉で正式表明。「カープが好きなので」と、チームへの愛着が決め手になった。来季の頂点奪取へ向け、野間、鈴木誠ら若手に、走塁技術を惜しみなく伝えていく。
澄み切った青空のように迷いはなかった。球団と初めての交渉後、赤松は「球団に残ります」と宣言。FA権を行使せず、残留を即決した。決め手は球団への愛着、そして優勝への渇望。プロ12年目、34歳となる来季へ再スタートを切った。
「残ります。カープが好きですし、優勝が狙える位置にいる。僕はこのチームでやりたいと思っています」
阪神から、新井の人的補償で広島に移籍して8年。年々、カープ愛は強くなった。正式契約はしていないが、来季年俸なども大筋で合意。「僅差での代走、守備を含めて、チームに必要と言っていただいた」と感謝した。
今季6月5日に1軍昇格すると、主に代走、守備固めで52試合に出場。打率こそ・222だが、勝負どころでの6盗塁、13得点が高く評価された。鈴木球団本部長は「今ウチで、代走で走れるのは彼しかない」と説明。緒方監督も「スペシャリストは赤松しかいない」と高く評価している。
ベテランの領域に差し掛かり、自身の走塁技術を野間、鈴木誠らに惜しみなく伝える考えだ。「若返りをしていく中で、個々の意識、レベルは上がっている。少しでもアドバイスして、伸びてくれるのならチームにプラス」と赤松。来季、25年ぶりのVへ、カープ愛で屋台骨を支える。