広島ドラフト1位最有力は大商大・岡田
広島は21日、都内でスカウト会議を開き、22日のドラフト会議で1位指名する選手を3人に絞った。その中で大商大・岡田明丈投手(22)が、県岐阜商・高橋純平投手(18)と仙台大・熊原健人投手(22)を抑え、最有力候補であることが判明した。ドラフト会議直前まで、他球団の動向を探りながら最終決定を下す。抽選になった場合は、緒方孝市監督(46)がくじを引く。
悩ましいドラフトになった。スカウト会議を終えた松田オーナーは疲れた様子で「明日(22日)の朝に会議をして決める。1位(候補)は3人。投手だ。悩んでいる。(2位以下でも)多種多様な素材がいる」と、悩める胸中を口にした。
来季こそ25年ぶりの優勝を手にするため、緒方監督の要望で、即戦力投手を1位指名する方針が固まった。ただ、誰にするのか。この日はとうとう決めることができなかった。
球団は春先から県岐阜商・高橋、明大・上原健太投手(21)を1位指名候補に挙げていた。ところが9月以降に大商大・岡田、仙台大・熊原の評価が急上昇。この日、上原を外れ1位候補とし、残り3人の中から1人を、抽選覚悟で指名する方向になった。
今ドラフトの目玉である高橋への評価は高い。ただし複数球団の競合は必至で、抽選を外すリスクが大きい。岡田、熊原は高橋ほど指名が重ならないと想定し、2人を比較した結果、岡田に傾いたもようだ。
今季15勝で最多勝に輝いた前田は、球団が権利を持つポスティングシステムでの大リーグ移籍を希望し、球団は本人の意向を踏まえ慎重に判断する方針。同11勝の黒田は現役続行か引退か白紙としている。また今季途中にセットアッパーに配置転換した大瀬良は、来季は先発に戻す方針。先発陣は不確定な要素が多く、リリーフも手薄になる。
松田オーナーは13日のスカウト会議後、岡田を「前(先発)でも後ろ(リリーフ)でもできる」、熊原を「後ろで力を発揮するタイプ」と評価していた。先発、リリーフともに適性を高評価された岡田が、抽選で外れるリスクの高い高橋、リリーフ適性のみ高評価の熊原を押しのけ、1位指名の最有力候補に浮上したとみられる。
いずれにせよ、ドラフト会議本番直前まで、ギリギリの駆け引きが続くのは間違いない。来季を占うドラフトがいよいよ始まる。