大瀬良新球!先発再転向へフォーク挑戦
来季から先発に再転向する広島・大瀬良大地投手(24)が18日、春季キャンプで断念したフォーク習得に再挑戦する決意を示した。秋季キャンプでは、シーズン中に痛めた「右手中指関節炎」の影響もあり完全ノースローだったが、早ければ11月中にもネットスローを再開する意向を明かした。
自らの役割を果たすため、新たな武器を手にする。大瀬良が力を込めた。「今年は追い込んでから頼れる変化球がなかった」。先発復帰する来季を見据え、今春にマスターできなかったフォークに再挑戦する決意を固めた。
先発から中継ぎに回った今季。球種の少なさが課題に残った。最も自信のあるカットボールは「ファウルされてしまうことが多かった」。落ちる球種がないことで、狙い球を絞られた苦い経験があった。日本が準決勝に進出した野球の国際大会「プレミア12」をテレビ観戦しても「落ちる球種が多くて空振りを取っていた」。その重要性をあらためて感じ取った。
フォークは今春に前田や黒田から握りや投げる感覚を伝授されたが、投げ切れるまでには至らなかった。それでも投球の幅を広げるため、シーズン中からさまざまな投手に助言を求め、遊び感覚で練習してきた。現在の握りは、人さし指を縫い目の内側にかける“福井流”。「真っすぐに落ちる。空振りが取れる、決め球まで持っていきたい」と言い切った。
14日まで参加した秋季キャンプは完全ノースローだった。51試合に登板した右肩の筋力低下や股関節周りの硬化に加え、6月下旬に発症した「右手中指の関節炎」が、その理由だった。シーズン終了直後に始めた治療により「痛みはない」と言えるまで回復した。現在参加する大分県由布市での「湯布院リハビリキャンプ」で、右手中指の状態を最終確認。トレーナーの了承を得て、早ければ11月下旬にもネットスローを再開する。
黒田、前田という2本柱の去就が不透明な中、大瀬良の肩にかかる期待は大きい。「キャンプで投げなかった分、自分の体に100%向き合うことができた。レベルアップできたと思う」。さまざまな経験を新たな力に変え、背番号「14」が走りだす。