広島・黒田博樹投手（４０）が２７日、来季の去就について１２月前半にも結論を出す考えを明かした。この日は広島市内でバッテリー会ゴルフに参加。１０月７日のシーズン最終戦以来、今オフ初めて公の場に登場した。交渉役の鈴木清明球団本部長（６１）と「再来週くらいに」会談する予定で、その場で結論を伝える可能性も十分にある。

　ゴルフ場は初雪の影響で一面、雪化粧に包まれた。約１時間３０分遅れでのスタート。黒田は「こりゃスコアが崩れるで」と笑いながら、久々のラウンドを楽しんだ。公の場には、１カ月半ぶりの登場。自宅のある米国から今週初めに再来日した右腕は、注目される去就について今オフ初めて口を開いた。

　「鈴木さん（球団本部長）と連絡は取っているけど、会って話をしないと。再来週以降には予定が空くということなので。現時点ではそういう流れです」

　一言、一言、慎重に言葉を紡いだ。現役続行か、引退かの明言は避け、鈴木球団本部長との会談後に結論を出す考えを示した。メドは「再来週」。現時点では「どうこう言うことはできないし、しない」と話すにとどめた。

　シーズン全日程終了後、１０月１５日に米国へ帰国。最終戦後、球団からの現役続行要請について「いったん、リセットして考えたい。今の感情で決めるのは難しいので」と白紙を強調していた。契約更改や、新入団選手の会見など、多忙な鈴木球団本部長とスケジュールを詰めて、早ければその場で結論を伝える。

　気持ちは固まったか、と問われた黒田は、「うーん、どうですかね…」と長めの沈黙後、思いをハッキリとした口調で明かした。「自分なりに考えることは、考えたので。アメリカでも考えてきた」。ポイントに挙げたのは、チームの戦力になれるかどうか、だ。

　「当然、チームの編成もあるので。いろんなことを考えると、そんなに時間はない。いつも言っているように心、技、体、全て整わないと何をするにも難しい。一番は戦力にならないと、ダメ。選手として、チームの戦力になることができるかが、最低条件になる」

　８年ぶりに古巣復帰した今季は、２６試合の登板で１１勝８敗、防御率２・５５の成績。「ノルマ」としていた１０勝をクリアした。４１歳になる来季も、チームには不可欠な存在だ。「とりあえず順序立ててね。鈴木さんと話をしてからです」と黒田。結論は笑顔の裏に隠した。続行か、引退か。決断の時は迫っている。