黒田極秘始動…サンフレV観戦で刺激
広島の黒田博樹投手(40)が10日、極秘でマツダスタジアムを訪れ、球団トレーナーのメディカルチェックを受けた。来季の現役続行を表明した翌9日も同所で体を動かしており、万全の状態で来季開幕を迎えるための準備を着々と進めている。
誰もが待った吉報から2日。この日、黒田は午前中にジャージー姿でマツダスタジアムを訪れた。帰り際に「トレーナーに(体を)チェックしてもらっただけ」と多くは語らず、笑顔で車に乗り込んだ。
球団関係者によると、前日9日も同所で体を動かしたという。去就が未定だった11月下旬には「トレーニングに身が入らない」と苦笑いしていたが、現役続行を決断したことで、本格的に動き出した形だ。
8日に自らの意志を球団に伝えた。「来年もやります」。シーズン終了から現役続行と引退のはざまで悩みながら、球団の粘り強い残留要請に心を動かされた。
日本一に刺激を受けたのかもしれない。5日にエディオンスタジアムを訪れ、広島対G大阪のJリーグチャンピオンシップファイナル第2戦を観戦した。「寿人さん(佐藤)が黒田さんの登板日に見に来たお返しに、応援に行ったと聞きました」と別の球団関係者。紫に染まったスタンドと選手が一体となり、手にした3度目の栄冠が、右腕の心を響かせたか。
契約更改交渉は来週以降に行われる予定。あと7勝に迫った日米通算200勝の先に、チームの悲願が待つ。41歳となるプロ20年目のシーズンへ、黒田が踏み出した。