マエケン“男気契約”でドジャースへ
ポスティングシステムでのメジャー移籍を目指す広島・前田健太投手(27)が1日(米時間12月31日)、米大リーグ・ドジャースと契約合意に達した。契約年数はメジャー移籍した日本選手で、最も長い8年となる見込み。MLBの公式サイトを始め複数の米メディアが報じた。広島の前田から世界のMAEDAへ。右腕が揺るがぬ決意で海を渡る。
前田の移籍先は“本命”ドジャースだった。日本時間の新年早々、米国時間では2015年の最後に、大きなニュースが飛び込んできた。米国の複数メディアが「ドジャースと前田が合意に達した」と報道。同チームの公式サイトでも伝えた。
今後、正式契約を交わす予定で、契約の詳細は明らかになっていない。だが、MLBの公式サイトは「最大8年契約になるようだ」と、大きく見出しを取って掲載。実現すれば、14年に田中将大投手がヤンキースと結んだ7年契約を上回って、メジャーの日本選手では最も長期の契約となる。
さらに「NBCスポーツ」の電子版は、8年契約で年俸の総額は、2400万ドル(約29億円)だと報じた。1年平均で300万ドル(約3億6000万円)と割安だが、驚きは出来高の内容。各年ごとに1000万ドル(約12億円)から、最高で1200万ドル(約14億4000万円)の出来高契約が含まれていると伝えている。
最大で約145億円、1年で18億円を超えるが、これまで海を渡った日本選手の契約とは違い、結果次第で変動する実力重視型の契約内容だ。退路を断って、メジャー挑戦する前田の心意気が表れた、まさに“男気契約”といえる。広島への譲渡金は上限2000万ドル(約24億2000万円)で、最大で約170億円の大型契約となる。
前田は家族を伴って、昨年12月14日から同月26日まで渡米。ロサンゼルスを拠点に、代理人のアダム・カッツ氏と交渉の現状、自身の希望などについて意見交換した。移籍先の大本命としてドジャースとは、自らも同席して直接交渉後、合意まで至ったようだ。
日本選手では1995年にパイオニアとして海を渡った野茂英雄に石井一久、斎藤隆らが所属した。黒田博樹も活躍。居住施設や気候など、環境面も決め手の一つとなったと見られる。2013年12月に改定された現行ポスティング制度での移籍は、ヤンキース入りした田中将大に次いで2人目。広島の前田から世界のMAEDAへ。実力、結果で道を開く。