福井 新年の誓い「10勝&開幕ローテ」
広島の福井優也投手(27)が4日、横浜市内の慶大日吉グラウンドでDeNA・長田秀一郎投手(35)、女子プロゴルファーの成田美寿々(23)らとの合同自主トレをスタートし約4時間の練習を公開した。今季、投手キャプテンに就任した右腕は新年の誓いに10勝、開幕ローテーション入りを掲げた。
トレーニングを終えた福井の表情は引き締まっていた。「やらないといけない自覚はある。けがをしないという保証はないが、10勝。春からローテーションで回りたい」。新投手キャプテンは固い決意を述べた。
昨季は自己最多の9勝を挙げたが、2桁勝利には届かなかった。「10勝できなかったのは悔しい」。昨年8月22日の巨人戦で9勝目を挙げて以降、チャンスは5度あったにもかかわらず0勝3敗と、大台到達はならなかった。
この日はウオーミングアップ後、変化球を交えたキャッチボール、体幹トレーニングなどに取り組んだ。中距離走のメニューでは早大の同級生、西武・大石と互いを刺激し合うように並んで走った。
「(シーズン)終盤に弱くなる。体力づくりが大切」。今回の合同自主トレでは、8月、9月にも息切れしない体力強化に重点を置いている。
もちろん終盤だけでなく今季開幕からローテの柱として活躍するための準備も進めている。すでに昨年12月17日から1週間程度、沖縄でトレーニングに励んだ。「肩をつくるのをメーンに行った」と例年より調整は早め。「1月にしては調子がいい。今後はブルペンにも入る予定」と仕上がりは上々だ。
強い精神力を身につける努力も怠らない。「これまでは、イライラする気持ちと勝ちたいという思いが空回りしてしまっていた。昨年は改善されて良かった。平常心でいることも大切」。1勝でも多く積み重ねるためにメンタルの強化も継続する。
絶対的エース、前田の米大リーグ移籍は確実な状況。その穴を埋めるためにも福井に大きな期待が掛かる。「エースが抜けた穴を埋めるというよりは、個人がしっかり成績を伸ばしていけばいいのではないか」と自身の成績アップに加え、投手陣全体の奮起を促す。
目指すは25年ぶりの優勝しかない。「入団当初から優勝が狙えるチームと言われていた。今年こそはという思いはある」。投手キャプテンが悲願のVへ導いていく。