ドラ1岡田 黒田流ルーティンで始動
広島の新人7選手が10日、広島県廿日市の大野練習場で合同自主トレをスタートした。ドラフト1位・岡田明丈投手(22)=大商大=は黒田流ルーティンで始動。開始予定時刻よりも30分早く姿を現し、入念なストレッチで体をほぐした。尊敬する黒田博樹投手(40)と共通する流儀。その姿は、レジェンド右腕に重なって見える。
午前8時。予定されていたトレーニング開始時刻の30分前に、岡田はウエートルームで一人、体をほぐし始めた。「ルーティンを大事にしている。練習開始には動けるように」。誰かに言われたわけではない。自らの意志で早めに始動した。
黙々とストレッチを行うその姿は、尊敬する先輩右腕と重なって見えた。練習前、室内で入念に体をほぐしてから屋外でのトレーニングに励む。これは昨季、黒田が続けてきたルーティンだ。偶然にも同じリズムが、岡田の体にも刻まれていた。
母校・大商大で行われる激励会に参加するため、合同自主トレ初日は一人だけ、他選手よりも2時間早いスタートとなった。ランニングやキャッチボール、シャトルランなどで汗を流し、「一人はやりづらい。最初なんで慣れないです」。初々しくこう振り返ったが、練習中にも、憧れの人をほうふつとさせるシーンがあった。
力強く、キレのあるボールを約90球、投げ込んだキャッチボール。そのすべてをセットポジションで行った。「セットポジションから投げると、(投球フォームが)崩れにくい」。軸足を意識したキャッチボールは、黒田がこだわっているポイントでもある。ここにもまた、共通項があった。
キャッチボールの相手役を務めた松本スカウトは、「しっかり上から投げられている。回転も良かった。全体的に重い球」と潜在能力の高さを認めた。トレーナー陣から「体のバランス良く投げられていた」という報告を受けた緒方監督も、順調な調整ぶりに目を細めた。
「基本的なトレーニングに慣れて、キャンプまでに徐々に合わしていく」。岡田には焦りなど一切ない。しっかりと自分の流儀を守りつつ、プロの世界に適応する覚悟だ。黒田のような大投手へ。力強く、たくましく、着実に歩を進めていく。