広島黒田 現役続行決断の裏にイチロー
広島・黒田博樹投手(40)が18日(日本時間19日)、米ロサンゼルスでの自主トレを公開した。日米通算200勝にあと7勝と迫っている右腕は、通算2000安打まで残り29本の新井貴浩内野手(38)と共に歩むプロ20年目の節目を「楽しみなシーズン」と表現し、25年ぶりのリーグ優勝を高らかに誓った。
ほとばしる汗。苦悶(くもん)の表情を浮かべながら、2月で41歳を迎える肉体をいじめ抜いた。自宅のあるロサンゼルスでのトレーニング。時間をかけて現役続行を決断したプロ20年目に懸ける意気込みを黒田が体で表現した。
今季の節目は『時間』だけではない。日米通算193勝。偉業まであと「7」に迫っている。「あんまりそこは意識してないんですけど、しっかりしたピッチングを1年通してできれば、おのずとそういう数字になっていく」。そう言った後、自ら切り出したのは、昨季そろって8年ぶりに古巣に復帰した同志の偉業だ。
「僕だけじゃなく、新井の2000本もありますし、そういう意味では僕自身も楽しみというか、そういうシーズンだと思います」
新井の通算安打は1971本。投打の大黒柱にとってメモリアルイヤーとなる1年だからこそ、「しっかり準備をして今年はローテーションを崩さず投げ抜きたい」との言葉に力を込めた。
別の同志もいる。10月で43歳、プロ25年目を迎えようとしているマーリンズのイチローだ。メジャー通算3000安打まであと65本。ヤンキース時代の同僚だった大打者を「僕の中では特別な人」と言い切る。
「日本では去年、引退される人が多かった。僕の気持ちも弱くなってきそうなところで、イチローさんがメジャーでまた新たなシーズンを迎えるというのは僕にとってすごく心強い」
自身の引退については「どこで自分がそういう気持ちになるか分からない。でも、常に『最後のシーズン』という(気持ちな)のは変わらない」と話す。現役続行決断の裏にイチローの存在があったことを示唆した。
昨季は大きな期待を集めながら4位に終わった。「優勝はそんな簡単なものじゃない。個々がレベルアップして一つの力になって戦う中で『優勝』が見えてくる」。25年ぶりのリーグ優勝、そして、32年ぶりの日本一へ。チームにとってもメモリアルイヤーにするつもりだ。