野村“レジェンド投法”!変身に手応え
「広島春季キャンプ」(4日、日南)
広島・野村祐輔投手(26)が今キャンプ初のフリー打撃に登板。48球を投げ、天谷のバットを折るなど安打性の当たりは5本。オフから取り組んできた体重移動にリンクする新フォームに手応えを得た。金田正一氏や江夏豊氏らの動画を見て研究。球界のレジェンドに投球術と技を学び、開幕ローテ入りを目指す。
鈍い音が響いた。力強さを増した野村の直球が、天谷のバットをへし折った。今キャンプ初のフリー打撃登板。投げ終えた背番号19は、納得の表情を浮かべていた。
天谷と堂林に、真っすぐ中心の48球。安打性の当たりはわずか5本と凡打の山を築いた。「きれいにライン通り投げることでボールに力が入った」。オフから取り組んでいた体重移動の成果を発揮した。
「昨年の終わりからたくさんの人の動画を見ました。昔の人から今の人まで」。参考にしたのは金田正一氏、江夏豊氏、東尾修氏、江川卓氏など、球界を代表するレジェンドを中心に投球術を研究した。
「昔の人にできて今の時代の人ができないということはない」
今まで知らなかった投球に関する知識を身につけた。「意識を変えて形が変わってきた。(昨季までは)ブレが大きかったが、今の形の方はブレが少ない」。以前のように流れるような投球動作ではなく、軸足にしっかりと体重を乗せたゆったりとしたモーション。昨季と比べて左足の上げ幅が小さくなり、グラブと顔の距離が広くなった新フォームの滑り出しは上々だ。
意識したのは下半身の粘り。納得するまで投げ込み、理想のフォームをつくり上げた。「腕を振り切ってもボールがシュート回転しなくなった」。投球を見守った畝コーチは「軸足に残しながら移動ができている。イキのいいボールを投げていた」と、順調な仕上がりに目を細めた。
視察に訪れた阪神の古里スコアラーも「技巧派のイメージだったが力強いボールを投げていた。腕の振りもいい感じ」と高く評価した。
プロ5年目。今季に懸ける思いは強い。昨季は5勝8敗、防御率4・64とプロ4年間でワーストの成績に終わった。悔しさを糧にし、右腕は開幕ローテ入りを勝ち取る。