田中 新バットは“前田モデル”

 前田バットで進化を探る。広島の田中広輔内野手(26)が5日、バット&グラブを新調したことを明かした。用具提供を受けるアシックス社に、OBで野球評論家の前田智徳氏(44)が現役時代に使用したモデルのバットを2本発注。「引き出しにしたい」と、天才打者の神髄を吸収している。攻守でカギを握る3年目。この日もキャンプ初休日を返上して汗を流した。

 南国の太陽を浴びながら、ゆっくり体を動かした。キャンプ初の休日。飽くなき向上心が体を動かした。「順調です」。笑みが浮かぶ。プロ3年目。田中はシーズンを前に、2つの変化を明かした。バットとグラブの新調。新たな相棒探しだ。

 「前田さんが使っていたバットが、どういうものか使ってみたかったんです。参考になればと思ったので」

 用具提供を受けるアシックス社に発注したのは前田氏のバット2本。長さ33・75インチ(約85・73センチ)で重さは900グラム。従来のものは重さは同じだが33・86インチ(約86センチ)と少し長く、同氏のバットの方が根元から先端部までやや太いのが特徴だ。

 前田氏は通算2119安打を記録。落合博満氏やイチローら、球界の名だたる打者が「天才」と認める。道具に対するこだわりも一流。ミート時の感覚を求めてロゴの位置を、ミリ単位で変更した逸話も残している。田中が発注した2本は素材こそアオダモやホワイトアッシュでなくメープルだが、天才打者と同じ仕様だ。

 現時点で、試合では従来のバットを使う考えだが、新バットに求めたのは新たな知識と感覚。「なにか参考になれば。知識が増えるように」と言う。

 キャンプではスイング時や打撃練習でも使用し「(感覚が)全然違います。やっぱり振りやすさはある」と発見は多い。一昨年は打率・292、昨季は・274。まだ見ぬ3割到達への引き出しとして感触を頭に入れる。

 グラブにも変更を加えた。意識したのは小指、薬指の感覚。「球際に強いものがいい」と、製造段階から2カ所の柔軟性を重視した。昨年より捕球部分は「浅め」。捕球する際のつかむ感覚を求めた。昨季、守備機会は球団歴代2位の710。守備範囲が広いだけに、あとは確実性を高めてリーグワースト22失策から減少を狙う。

 守備は要となる遊撃、攻撃でも中軸を期待される。目標は昨季2試合足りなかった「全試合出場」。25年ぶりのリーグ優勝、日本一だ。「結果も当然大事ですけど、内容も意識しながらやっていきたい」。名実ともにチームの中心になる。不動の座をつかみ取るために、田中は変化と進化を続けていく。

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