黒田5失点KOも新球に“収穫”あり

 「オープン戦、ソフトバンク10-3広島」(20日、ヤフオクドーム)

 広島・黒田博樹投手(41)が、4回7安打5失点でKOされた。シーズン前最終登板。球数、投球回ともに予定には届かず、開幕に一抹の不安を残す形となった。ただ随所で新球を試すなど“収穫一敗”。「少しずつ進化していく」と前を向いた。百戦錬磨のレジェンド。修正して開幕第2戦、26日・DeNA戦(マツダ)に臨む。

 打球の到着地点を見届けると、人工芝をスパイクで蹴り上げた。調子が上がらない中で苦心の投球、浴びた一発。黒田の開幕前最終登板は、4回7安打5失点だった。不安を残す78球のKO降板。試合後は反省の言葉とともに、シーズンでの修正を誓った。

 「状態がよくなさ過ぎた。軸となる球がなく全ての球がダメ。その中で修正しないといけないけど、今日はそれができなかった」

 初回から珍しく制球に苦しんだ。先頭の福田に三塁線を破る二塁打を浴びる。追い込んでからスライダーが高めに浮いた。1死後、柳田には内角を狙ったカットボールが甘く入る。「球が抜けて腕が緩んでしまった」と、左中間席へ先制2ランを献上した。

 三回には1番から連打で無死一、二塁。再び柳田に一塁を強襲する適時打を浴びた。さらにルナの失策で満塁になると、続く松田には押し出し四球。強打者が並ぶ打線相手だったが「自分の投球ができなかった。それ以前の問題」と反省した。

 当初は7回、100球がメドだったが、4回終了時点で78球に達し、降板となった。オープン戦は計3試合で、12回2/3を19安打10失点。防御率5・68と数字上は不安を残す形となった。この日の被安打7本は全て左打者。昨季の被打率も右が・227に対し、左が・277と課題にする。

 「結局、右投手はそうなってしまう。それは日本に帰る前から分かっているので。クリアしていかないと」

 ただ、二回には左の中村晃を外角のカットボール、通称「バックドア」で見逃し三振に。新球のチェンジアップや、本格習得を目指すカーブも試した。試行錯誤の調整登板。「シーズンに入ったらOKじゃない。継続していかないと。少しずつ進化をしていきたい」と前を向いた。

 今後は中5日で開幕第2戦、26日・DeNA戦(マツダ)に登板する予定。残り5日間での修正が求められる。「内容的によくない試合が多かったが、もう始まる。その中でどう戦っていくか。残りの期間で考えながら調整したい」。百戦錬磨のレジェンド。反省、収穫の1敗を、20年目シーズンに生かすだけだ。

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