広島 風で同点、風でサヨナラ負け

 「阪神4-3広島」(21日、甲子園球場)

 広島が風に笑い、風に泣いた。2点ビハインドで迎えた九回。無死一塁から安部友裕内野手(26)が1ボールから2球目、マテオの真ん中146キロ直球を狙った。打球は左方向から吹く風にも乗って、右翼スタンド最前列に到達。土壇場で起死回生の3号2ランで、同点に追いついた。

 だが、続く裏の守備では、1死満塁で高山の打席。1ボールから2球目、三塁ベンチ前に飛球が上がった。一度は安部が捕球体勢に入ったが、風に流された打球が約1メートル右にポトリ。結果的に次の球を右翼前に運ばれた。

 緒方孝市監督(47)は、試合後に「1つアウトを取っていれば、展開も変わったかもしれないけど」と前置きした上で、「彼の責任とは思っていない。いい経験になったと思う。1つの経験としてもらいたい」とかばい、さらなる成長を求めた。安部は「打ったのは全然関係ない。守りで…。初めての球場じゃない。フライを捕れないと話にならない」と自責の言葉を並べた。

 2試合連続の接戦だったが、結果的にサヨナラ負けを喫した。今村が3連投、ヘーゲンズ、ジャクソンも連投と、登板過多を考慮して温存。指揮官は中継ぎ起用に関して「(外国人2人は)ほぼ考えていなかった。猛(今村)にしても連投が続いているから。6連戦が続き、今後も続いていく。元気な人で1イニング、1イニングと思っていた」と説明した。仕切り直して22日の第3戦。2カード連続の勝ち越しを狙う。

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