ジョンソン3年15億超!カープ愛で更新
広島は4日、クリス・ジョンソン投手(31)と、来季からの新たな3年契約に合意したと発表した。再契約金は100万ドル(約1億650万円)で、来季からの年俸は175万ドル増の300万ドル(約3億1950万円)プラス出来高払い。出来高はすべて条件をクリアすれば年間1億5000万円程度になるもようで、3年総額は最大で15億円を超える異例の大型契約となった。
雨が落ち始めた試合前のマツダスタジアムに、ビッグニュースが飛び込んできた。球団がジョンソンとの来季契約合意を発表した。シーズン途中での契約更新は異例。さらに3年契約で、総額は最大で15億円を超えるとてつもない大型契約だ。
来季年俸300万ドルはカープ助っ人史上最高額だった自身の今季125万ドルを大幅に上回る。「とても光栄なオファーがあった。(今オフ)メジャーリーグで好条件な契約を得る可能性もあったけど、私たち家族は広島の街を愛している。カープファンのことを考えた結果が、日本に残る大きな決め手になった。結論を出すのは容易で、時間はかからなかったよ」。強調したのはカープ愛。練習を終え多くの報道陣に囲まれると、真っすぐな視線で言葉を紡いだ。
昨季、最優秀防御率賞に輝いた左腕は今季、11試合に登板し防御率1・99で、リーグトップタイの6勝をマーク。先発の指標となるクオリティースタート(6回以上、自責3点以下)も全試合で達成し、安定感抜群の投球が上位進出の原動力になってきた。
シーズン途中での来季の契約合意。背景には今季で契約が満了する左腕への、注目度の高まりも要因にある。今年に入り、ジョンソンの登板試合を視察するメジャーのスカウトが急増。球団はチームへの貢献度を最大級に評価しており、今オフにも発生しかねなかった日米球団の争奪戦を回避するため、契約更新を打診した。
近年、チームの懸案事項は先発、中継ぎを問わず左投手の確立だった。球団幹部は「国内外を見渡して、ここまで安定した左の先発はなかなか見つからない。信頼は厚い。3、4週間でまとまった。安定した左の先発を確保できた。喜ばしい」と目尻を下げた。
19年まで赤いユニホームに袖を通すことになった助っ人にとって、広島は第二の故郷。チームメートやファンは、かけがえのない存在だ。だからこそ届けたい夢がある。
「球団と広島の街に優勝をもたらす手助けをする」。力強く、決意を新たにした。最後の優勝は1991年。25年のときを超えて、ジョンソンが歓喜の瞬間を届ける。